勝手にエネルギー論 循環型自然エネルギー活用社会の形成を!

 

自然エネルギーの可能性

第1回 一次産業としての自然エネルギー

 

大和総研 調査本部 主席研究員

河口 真理子

地銀協月報2012.9 35

 

は じ め に

 通常、電気・ガスなどのエネルギー供給事業は三次産業とされる。それがなぜ一次産業なのか。自然エネルギーはその言葉どおり、その土地の自然資源を活用して作り出したエネルギーである。自然資源を活用した産業といえば農林水産業などの一次産業がある。農業ではその土地の養分、太陽の光と水と空気や堆肥で農作物を育て、それは食糧として人のエネルギー源となる。一方、自然エネルギーは、その土地で得られる太陽光、水、風、バイオマスなどから直接に熱や電気エネルギーという『作物』を作り出す。自然エネルギーならば、一次産業と同様、地域に根差した郷土色豊かな産業になり得るのではないか。そして地域産業の育成となれば、地方の金融機関の出番ではないか。今回の連載では、まず本稿において私たちのエネルギーとの付き合い方の歴史を振り返り、これからの自然エネルギーの可能性ついて言及する。そして、次号以降では個別の自然エネルギーの動向について紹介していく。

 

エネルギーとは

 まず、そもそもエネルギーとは何であろうか?物理学ではエネルギーを「仕事をする能力」と定義し、具体的には、運動エネルギー、位置エネルギー、化学エネルギー、磁気エネルギーなどの状態にあるもので、また相互に転換することができるものとしている。例えば、自動車などの内燃機関は、ガソリンを燃焼させて運動エネルギーに転換させる仕組みである。そして電気とは、石油や石炭の燃焼による化学エネルギー、水力の位置エネルギー、風力の運動エネルギーを、発電機によって電気エネルギーに転換して得られるものである。

 一方、エネルギーはその生成由来によって、一次エネルギーと二次エネルギーに分類される。一次エネルギーは「自然物」として得られるものであり、その「加工物」を二次エネルギーと呼ぶ。一次エネルギーには、水力、太陽光、地熱、風力など「自然現象」としてのエネルギーと、化石燃料のように「物質」としてのエネルギーがある。化石燃料を使った火力発電による電力は二次エネルギーだが、再生可能エネルギーは自然物から直接エネルギーを取り出すので一次エネルギーに分類される。なお、経済産業省の「エネルギー白書」によると、化石燃料、原子力、再生可能エネルギーが一次エネルギー、電力、ガス、石油製品が二次エネルギーに分類されている。

 図表は、一次エネルギーから経済活動に有用なサービスを生み出すまでのフローを示したものである。経済活動において活用できるエネルギーとはこの図表で示す「有効エネルギー」であり、それは主に熱利用、運動(動力源)、電気エネルギーとして人間の活動に必要なサービス(動力、冷暖房、給湯、調理、移動手段、照明等)のために消費される。エネルギーは製造や暮らしを営むために「必要な材料・資源」ともいえる。

 ここで指摘したいのは、我々が本来必要としているのは、電気でもエネルギー自体でもなく、エネルギーが提供するサービスであるということである。しかし、現実に電気が選好されるのは、熱や照明、動力など有効エネルギーに転換し易いからである。この電気の性質は貨幣の流動性に似ている。つまり、電気は貨幣と同様、流動性の高いエネルギーゆえに選好されてきたといえる。しかし、今後自然エネルギーの戦略を考える上では、まず電力ありきではなく、最終のサービスとのバランスから最適エネルギーを選択する必要があろう。

 例えば、お湯が欲しいのであれば、太陽光パネルで発電してお湯を沸かすより、直接太陽熱や地熱でお湯を作ったほうが理論上は効率的だ。空調も自然エネルギーで作った電気でエアコンをまわすより、地中熱を活用したほうが資源の無駄がなくエコな可能性が高い。必ずしも電気が必要とは限らないのである。ちなみに、電気のない江戸時代、私たちの先祖はどのようにエネルギーと付き合ってきたのだろうか。

 

江戸時代のエネルギー

 当時の基本的な動力エネルギーは人力であった。大規模な動力が必要で、それが可能な場合は水車が活用された。照明や暖房など人力ではカバーできないエネルギーの仕事については、植物油や木材、炭などのバイオマス燃料が活用された。

 もう少し具体的な状況をみてみよう。石川英輔氏の著書によると、照明の手段は、菜種油や魚油を燃料とする行燈や櫨(はぜ)の実で作る蝋燭であった。また暖房としては、都会では火鉢やこたつ、農村部では囲炉裏が使われ、その燃料は炭や薪というバイオマスが使われた。また囲炉裏は暖房だけでなく、調理、灯りとしても活用されてきた。一方、江戸時代の給湯需要としては入浴需要が大きい。当時から庶民でも毎日のように入浴する習慣があり、江戸末期には江戸市中に600軒の銭湯があったとされる。銭湯の燃料は薪だが、建設廃材など燃えるものはすべて燃料として使っていたとされる。基本的に熱と照明は、薪炭や油などのバイオマスで賄われていたのである。

 1880年(明治13年)時点での日本のエネルギーの実に85%は薪炭で賄われていた。残りのエネルギー源は国内産の石炭であった。その後急速に石炭生産が進むが1900年(明治33年)でも、薪炭のシェアは52%、石炭45%であった。その後石炭の割合は増加を続けるが薪炭も1950年までは1割以上を維持し、引き続き暮らしには身近なエネルギー源であった。

 

動力源としての水車の歴史:動力源から発電手段へ

日本では動力源として、急峻な地形と多量の降雨、発達した用水路などを活用した水車が利用されてきた。8世紀に書かれた日本書紀には、7世紀に伝来した水車が穀物調整加工機、冶金に使用された旨の記述があるが、水車が本格的に普及するのは江戸時代に入ってからとされている。水車は用途別に灌漑用の揚水水車と動力水車に大別され、いずれも江戸時代に整備されたといわれる。揚水水車の場合、例えば現在でも観光名所となっている福岡県朝倉町の重連水車は、水車一台当たり5ヘクタールの灌漑能力を有し、全国でみられた小型の簡易揚水水車は1台で1アール程度の灌漑用に使われた。

 一方、動力水車の利用も江戸時代中期から盛んになり、人力を多量に使う菜種油や綿実油などの油絞りや、酒造業で使われるようになった。ほかにも鉱業用(鉱石の粉砕、炉への送風)、陶磁器製造(石の粉砕用)、砂糖絞り、製糸、線香製造などの産業用途、精米や製粉などの農業用の水車が全国で活用されてきた。

 明治以降になっても、石炭が入手困難あるいは高価で、蒸気機関が活用できない地域では、水車が産業用動力源として注目され、特に第一次世界大戦後の1920年代〜0年代にかけて急増していった。一方、1910年代には農業用水路用の螺旋水車が考案され、昭和初期には脱穀やもみすり用動力源として東日本を中心に普及した。1931年(昭和6年)栃波平野の南野尻村では、全農家の84%が螺旋水車を所有していたとの記録がある。しかし、戦後になると安いモーターが普及し、農業用水路がコンクリート張りにされることで農業用の水車は急速にすたれていく。

 一方で大規模ダムによる産業用発電は、1891年に琵琶湖疏水を利用した京都の蹴上水力発電所から始まった。その後、石炭輸送は困難だが水力が豊富な内陸部においては、大規模発電用の大型ダムの開発が戦後も続く。これに対して地域の産業用の小規模な発電需要を賄うために、小規模発電用としての水車も活用されるようになる。例えば、大分県豊後大野市では、富士緒井路普通水利組合が1914年(大正3年)に出力200kW の発電所を建設し、その後も改修を重ね現在でも発電を続けている。また、1952年(昭和27年)には農山漁村電気導入促進法が制定されて発電用の融資制度が整うと、1953年(昭和28年)以降1955年(昭和30年)代にかけて売電用として日本全国で約200の小水力発電所が整備されている。その後安価な石油の輸入急増で小水力発電の競争力は失われていく。

 しかし、同法で整備された小水力発電所は、2001年(平成13年)に整備された鹿児島県鹿屋市の笠野原発電所を含め、現在でも全国57か所で発電を行っている。小水力発電の利点は、火力や原子力に比べて燃料費など運用時のコストがかからないうえ、長期にわたる運用が可能ということであり、それは地域において投資を考える際にも重要なメリットとなる。

 

エネルギーとの関係性の変化

 以上、電力・化石燃料が導入される前の日本のエネルギー源は、バイオマス(生物由来の油、木炭、薪)、落差を利用した位置エネルギー(水車)であった。これらの供給拠点は、山村(薪炭)や農村地(水車、植物油)、漁村(魚油、エネルギーの輸送拠点)であり、いずれも現在の一次産業の供給拠点と重なっている。

 しかし、明治以降、化石燃料や電気という新たなエネルギー源の登場、そして1955年以降の安い石油の流入によってエネルギーと我々の付き合い方が大きく変化していく。すなわち、エネルギー供給の担い手が、農山村と地域の共同体から都市部の大規模事業者へ、一次エネルギーのインプットのウエイトが国産の自然資源から、海外の化石燃料やウランに大きく偏っていく中で、エネルギーは、「必要な人がそれぞれの地域で作るもの」から、「中央の大資本が作って買うもの」になっていった。

 ところが、昨年の「3.11」後、脱原発の機運が高まる中で、固定価格買取制度の導入など自然エネルギーへの期待がかつてないほどの高まりをみせはじめている。そこでの議論は、太陽光などの個人による発電もあるが、原発を置き換える大規模発電として中央の大資本によるメガソーラーや大規模なウィンドファームなどに関心が向きがちである。しかし、自然エネルギーは、歴史的には地域に根差して育まれてきたことを考えると、むしろ地域の特性を熟知した、地域の人たちが主導する地場産業的な側面が強いと考えられるのではないか。そうであれば、地域社会と地域経済に根差した地方の金融機関の活躍の場も大きいと考える。都会の事業者であれば、需要のある都市部での売電ビジネスに関心が集まるかもしれない。

 一方、地域社会経済の活性化という観点からは、供給するエネルギーを電力だけに限定せず、熱利用も含め需要側のニーズにマッチするエネルギー戦略が重要となろう。そこで生み出した自給可能なエネルギーは、地域の特産品として地域社会作りに活用し、地場産業に使うエネルギー源としてばかりでなくそれを製品の宣伝文句にも利用する、あるいは水車などの設備を観光資源の目玉とするなど、地域経済活性化のための有効な武器とすべきであろう。実際に北海道、富山、長野など全国各地で、市民主導による風力発電、太陽光発電、小水力発電を行う市民共同発電所の設立・運用が広がりつつある。秋田では市民団体が中心になり、地元の経済界・金融機関・大学などを巻き込み、秋田の沿岸に1,000基の風車を建てる壮大な計画も進行中である。

 2011年11月に金融機関の有志によって採択された「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21世紀金融行動原則)」には、2012年2月時点で180を超える国内金融機関が署名、銀行や運用保険業務など本業において環境や社会性に配慮することを表明した。地域の豊かな自然資源を活用した自然エネルギーの育成に取り組むことは、この原則の精神に合致しており署名金融機関に求められる活動の柱の一つとなるのではないか。


---  風力発電開発会社 エヌ・ウィンド  ---

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風力発電機について 1
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日本における風力発電事業の課題と展望を指し示す「風力発電」開発の「教書」としての文献です。
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再生可能エネルギーとは

図2. 国の法律の中の再生可能エネルギー
図2. 国の法律の中の再生可能エネルギー

「新エネルギー」とは、自然のプロセス由来で絶えず補給される太陽、風力、バイオマス、地熱、水力などから生成される「再生可能エネルギー」のうち、技術的には導入段階にあるものの、コストが高いため、その普及のために支援を必要とするものを指します。日本の法律では「技術的に実用段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために必要なもの」とされ、10種類が指定されています(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法[略称:新エネ法])。

つまり、国の法律では、再生可能エネルギーは、大規模水力と地熱にプラスして新エネルギーがあることになります(図2)。

地球に降り注ぐ太陽光エネルギーの量は、1平方メートルあたり約1kW です。人類が消費しているエネルギー量は莫大ですが、それでも地球に降り注ぐ太陽光エネルギー量と比べれば、約1万分の1程度です。太陽光から受け取るエネルギーを1 時間分集めると、人類が1年間に使うエネルギーとほぼ同じ量になります。

そこで再生可能な太陽光エネルギーを風力も含めて何らかのかたちで利用することが期待されています(表1)。

 

1. 主な再生可能エネルギーの仕組みと長所・短所

発電区分

仕組み

長所

短所

主な課題

太陽光発電

・太陽の光エネルギーを太陽電池(シリコン半導体など)で直接電気に変換して発電
・光エネルギーの10-25%を電気エネルギーに変換可能

・モジュール形式で、家庭から事業所利用まで対応可能
・発電時に二酸化炭素の発生なし

・天候や太陽高度に日射量が左右され発電量が変動
・発電コストが化石燃料と比べ割高

・太陽電池のエネルギー変換効率の向上
・低コスト化

風力発電

・風の力で風車を回し発電

・風車の規模や基数によって、家庭から事業所利用まで対応可能
・発電時に二酸化炭素の発生なし

・騒音や鳥が衝突など環境への影響の可能性
・風速変化による発電量の変動が急で変動幅が大(日本は欧米に比べ風向や風速の変化が大)
・発電コストが化石燃料に比べ割高

・日本の風況に応じた発電効率の向上
・低コスト化
・発電量の急変に対応可能な電力系統の強化

地熱発電

地熱(地球内部の高温のマグマの熱)で加熱された高温の熱水のたまった場所から井戸で蒸気を取り出しタービンを回して発電

・火山国日本では潜在的な量が豊富
・発電量が安定
・発電時に二酸化炭素の発生なし

・適切な熱源を掘り当てるための開発リスク大
・地下の熱水くみ上げの環境影響の可能性
・適地が国立公園などに多く、新たな電源開発が困難

・開発リスクの低減など低コスト化
・環境影響への周辺住民の理解獲得(なお、発電や温泉だけではなく、冷暖房、養殖、温室、融雪などさまざまな用途に利用可能)

中小水力発電

・落差のある河川、用水路の水流で水車を回して発電

・大規模ダムを利用した発電と比べて環境影響が小さい
・発電時に二酸化炭素の発生なし

・中小あるいはごく小さい水流では発電量が不安定
・発電時に二酸化炭素の発生なし

・低コスト化

バイオマス発電

・薪、炭、廃木材などの直接燃焼
・家畜の糞尿、食品廃棄物、栽培植物の発酵による燃料(メタンやアルコール)の生成(もともとは生物[バイオ]の量[マス]のこと)

・植物バイオマスは育成時に二酸化炭素が取り込まれるので(炭素固定)、取り込まれる量以下の利用ならば二酸化炭素の新たな発生量なし

・バイオマス資源の存在は薄く広い
・エネルギー発生までのコストが化石燃料に比べて割高

・バイオマス資源の効率的な収集
・輸送
・発酵後の残滓(ざんし)処理方法の確立
・低コスト化



循環型の持続可能な社会へ向けて

わたしたちが利用するエネルギーの効率を向上させ、一方で再生可能なエネルギーの利用の割合を高めていけば、エネルギー資源が枯渇することはさけられます。また、物質資源が完全に循環して利用されるようになれば、たとえ新たな物質資源が得られなくても、困ることはありません。

このような状態が達成されたときに、人類は初めて永続的な文明の土台を築くことができるようになります。このような社会を、持続可能な社会といいます。

社会問題になっている電力会社の「原発再稼働」と「電力需要見通し」について
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日本のエネルギー政策と再生可能エネルギー

東京財団 研究員 平沼 光 氏

(掲載日:2011年9月16日)

 http://scienceportal.jp/HotTopics/opinion/204.html

 

日本の高い再生可能エネルギーポテンシャル

 

2011年9月13日、野田首相は衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説を行った。

所信表明では、東日本大震災の復旧・復興と日本経済の立て直しを政権の最優先課題として提示。中でも福島原発事故により大きな政策転換を迫られている日本のエネルギー政策の再構築が喫緊の課題として挙げられている。

野田首相の所信表明では、中長期的に「原発への依存度を可能な限り引き下げていく」ことが目指すべき方向性として示され、そのために、日本の高い技術力を生かし、省エネルギーや再生可能エネルギーの最先端のモデルを世界に発信するということだ。

すなわち、野田政権におけるエネルギー政策のキーワードは省エネルギーや再生可能エネルギーの普及といえるだろう。

そうなると、果たして日本には風力や太陽光、地熱といった再生可能エネルギーの十分な資源量があるのだろうかということが疑問となる。

これまで長きにわたり日本は「資源に乏しい国」とされてきたが、風力発電に必要な風資源をはじめとする日本の再生可能エネルギー資源の状況はいかがなものであろうか。

その疑問の答えとなる調査結果が、東日本大震災後の2011年4月21日、環境省から公表されている。「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」である。

この調査によると、発電設備の設置などエネルギーの採取・利用に関する土地の利用の制約要因を考慮して得られるエネルギー資源量、すなわち再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて、例えば風力発電の導入ポテンシャルは19億キロワットという数字が示されている。

ちなみに、09年度の日本の全発電設備容量が2億397万キロワットということを考えると、非常に高い資源量が見込まれるということになる。また、09年度の日本の風力発電の全設備容量は219万キロワットであることから、さらなる風力発電の導入増大の可能性が示されたと言える。

火山国日本ならではのエネルギー源として注目されている地熱発電についてはどうだろうか。

地熱発電の導入ポテンシャルは1,400万キロワット。09年度の地熱発電の全設備容量は53万キロワットであることを考えると、地熱発電においても導入の増大の可能性が示されたと言える。

また、世界的に見ても日本の地熱資源量はワールドクラスだ。産業技術総合研究所(2008年「地熱発電の開発可能性」)では日本の地熱資源量を約2,054万キロワットと見込んでおり、これは世界第3位の資源量となるのだ。

かくして、「資源に乏しい」とされてきた日本ではあるが、再生可能エネルギーのポテンシャルは意外や高いものが示されている。こうした高いポテンシャルが示されている再生可能エネルギーであるが、これまでその普及が日本ではあまり進まなかったのはなぜだろうか。

その理由として、再生可能エネルギーはお天気任せであったり風任せであったりするため電力が安定しないこと、再生可能エネルギーの発電地となる風況がよかったり日射量が多かったりする場所と電力消費地が離れているため送電が困難なことなどが挙げられてきた。

一方、世界の動向に目を向けてみると日本とは全く違った状況であることを垣間見ることができる。

 

電力の4割を再生可能エネルギーで賄う国

 

2011年3月31日、スペインの送電管理会社レッド・エレクトリカ社(REE社)から日本人にとって大変興味深いニュースがリリースされた。なんとスペインの3月の電力供給において、風力発電が占める割合が他の火力、原子力を超えて最大の電力供給源になったというのだ。

スペインの3月の電力供給割合は、風力21%、原子力19%、水力17.3%、石炭火力12.9%、太陽光2.6%、その他コンバインドサイクル発電やコジェネレーション発電となっている。実に再生可能エネルギーだけで国の発電の4割以上を賄っていることになる。

スペインの面積は51万平方キロメートル(日本比135%)、人口4,702万人(日本比37%)、全発電設備容量は1億308万6,000キロワット(日本比51%)、全発電電力量2,957億3,700万キロワット時(日本比31%)、風力発電設備容量1,995万9,000キロワット(日本比866%)となる。

日本と比較した場合、面積と風力発電設備容量を除きそのスケールの違いがあるとしても、それでもこれだけの規模の国においてその発電の4割を再生可能エネルギーで賄っているというのは驚きを禁じえない。

日本では実現できていない再生可能エネルギーの大規模な活用がなぜスペインで実現できているのか。そのカギはスペインの発電管理方法と送電網にある。前述した通り、再生可能エネルギーはお天気任せであったり風任せであったりするため電力が安定しないという弱点がある。この弱点を克服するべくREE社はスペイン全土の風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーとコジェネレーション発電の監視・制御を行う再生可能エネルギーコントロールセンター(CECRE:Control centre of renewable energies)という組織を06年6月にマドリッド北部近郊に設立。さらに、07年6月からは設備容量1万キロワット以上の風力発電所はCECREに管理されることを義務付けている。 CECREは、その情報収集センターとして約21カ所に設置されているジェネレーションコントロールセンター(WGCC)をリンクしており、WGCCがスペイン全土の風力発電所やメガソーラー発電所の発電電力量や運用パラメーター情報を吸い上げ、CECREに伝えるとともに、CECREからの各発電所への制御指令を15分以内に実行するという役割を果たしている。

さらに、特徴的なのは気象予測システムを活用しているという点だ。気象予測システムについてごく簡単に説明すると、天気予報を見ながら翌日に風力、太陽光など再生可能エネルギーでどのくらい発電できるかを計算し、発電量が多ければ火力・原子力など再生可能エネルギー以外の発電を抑え、少なければ火力・原子力発電などの発電量を増やすといったコントロールを行い、風任せ、天気任せといった気象条件に左右される弱点を克服しているのだ。気象予測も取り入れながらの制御とは注目に値する。

発電地と消費地の距離の課題はどうであろうか。実は、スペインの風力発電の発電地と消費地は必ずしも近距離にあるわけではない。スペインの主な風力発電の発電地はガリシヤ、バルセロナといった地域、そして主な消費地はマドリッド、バルセロナとなっている。バルセロナについては発電、消費が一致していると言えるが、ガリシヤ―マドリッド間、バルセロナ―マドリッド間は距離があり遠隔となっている。

「再生可能エネルギーの発電地と電力消費地が離れていると送電が困難ではなかったのか?」と思われることだろう。この距離をどのようにして克服しているのだろうか。スペインでは、広域にわたるメッシュ状の送電網(400キロボルトおよび220キロボルト)を採用しており、そこに生まれる送電余力を活用することで再生可能エネルギー発電の大量導入に対応しているのだ。

 

一方、日本の送電網は「串刺し形」といわれる各電力会社の送電網を連系線でつなぐ形式で、この連系携線の容量が限られて、地域間の電力融通に制限がある状況と言える。

スペインではこうしたCECREによる全発電のコントロールと、メッシュ形の送電網を巧みに活用することで風力発電の大量導入に成功しているのだ。

ところでスペインの発送電体制はどのようになっているのだろうか。スペインでは送電管理会社はREE社の1社に対し、発電会社は複数となっている。

つまり、多様な発電会社の参入を進めて独占を防ぐ一方、そのコントロールは一元化できるように送電管理会社は1社に絞っていると言える。

現在、日本では発送電分離の議論があるが、スペインの事例を見る限り発電と送電を分離すれば済むという単純な話ではない。要は、多様な発電を導入するとともに、その発電を臨機応変にコントロールできる体制をどのように作るかということが今問われていると言えるのだ。

 

日本に再生可能エネルギー普及の“覚悟”はあるのか

 

さて、野田首相の所信表明で再生可能エネルギーの重要性があらためて示されたわけだが、再生可能エネルギーの普及はなにも野田首相になってはじめて示されたわけではない。それこそ、前政権の菅首相も再生可能エネルギーの普及を表明しており、およそ歴代の政権、また関係省庁はこぞって再生可能エネルギーの普及をうたってきた。

再生可能エネルギーを普及させるとなると東京電力、関西電力といったいわゆる電力10会社以外に、各地の風力、地熱、太陽光発電などの事業を手がける新規事業者の参入は欠かせない。しかし、実態として新規参入にあたる全国の独立系発電事業者が電力販売に占めるシェアはわずか3%に止まっているのだ。

これまでさまざまな政権、また関係省庁がその重要性を唱えてきた再生可能エネルギーの普及であるが実態としてその導入が進まないのはなぜなのか。この点は大いに議論し、改善する必要があるだろう。

そして改善にあたっては当然既存のやり方を大きく変えることも想定しなければならない。それは長年の電力10会社による地域独占の体制にメスを入れることも覚悟する必要があるということだ。

前述したように、日本には再生可能エネルギー資源の高いポテンシャルがあることが環境省により示されている。そして、実例としてスペインのように電力インフラを整備し国の電力の4割を再生可能エネルギーで賄っている国もある。

もちろんスペインにもまだ対処しなければならない課題もあろうが、国として覚悟を決めて舵を切った結果が現状のスペインだ。

こうしたポテンシャルと実例がある以上、あとはわれわれがどこまで覚悟を決めて既存のやり方を改善するかどうかで、その実現性が確固たるものになり、逆にそれがなければ日本の再生可能エネルギーの普及はいつまでたっても不可能と言えるだろう。

日本の再生可能エネルギーの普及は、技術やコストの課題以前に、われわれがどこまで覚悟を示せるかが最大の課題なのだ。

3・11震災以降のエネルギー政策

 

今回の大震災とエネルギー政策への教訓

http://scienceportal.jp/HotTopics/safety/safety2/index.html


第1は「大規模集中型エネルギー供給システムの弱点」が露呈したことです。日本は国土の3分の2が山で覆われ、比較的フラットなところは少ない。そうした場所に1億2千数百万の人間が住んでいることから、土地の制約が結構大きい。そのため、発電所用地の取得は容易ではなく、取得できた用地に集中的に発電所をつくることになります。それは大規模施設での大容量送電が可能な効率性のよいシステムですが、それが図らずも、今回の大震災で相当大きな打撃を受けました。東京湾岸でも直下型地震が起きる可能性が指摘されていることから、こうした“大規模集中型”のリスクをあらためて考える必要があるのではないでしょうか。

第2は「原子力発電の“安全神話”の崩壊」です。日本の場合は「原子力は絶対安全」ということでスタートしました。しかし米国やヨーロッパでは「人間がつくった技術だから、必ず事故やトラブルが起きるリスクがある」というのが出発点です。そのリスクを「受け入れ可能なところまで、いかに小さくできるか」という考え方なので、「万が一、最悪のことが起きたら、どう対応するか」といったことも、比較的容易に受け入れられる素地があったのではないか。

この違いは、日本には「広島・長崎の核アレルギー」がベースにあることと、関係していると思います。あくまでも私の仮説ですが、そうした核アレルギーがあるために、電力側も「原子力は絶対安全」「大事故も100%起きない」などと言って地元の人たちを説得し、原発の立地を進めてきました。その結果、事故対応マニュアルも一応はあったようですが、本当は「最悪の事態までの対応を考えていなかったのではないか」と、今回の(原発事故の)一連の事態を見ていて感じます。

そういう意味では安全規制自体の問題、体制の問題もありますし、リスク管理に対する考え方も不備でした。実際に、シビアアクシデント(過酷事故)が起きたときの危機対応も不十分でした。事故や避難などの訓練はしていましたが、本気でそこまで考えていたかどうか疑問です。

第3は「加速する電力化社会と脆弱(ぜいじゃく)な送電網」についてです。エネルギーを電力の形で使う形態がどんどん増えている中で、「日本の送電ネットワークは非常に脆弱である」との議論がなされています。ヨーロッパや米国の送電ネットワークは網の目のように張りめぐらされているシステムですが、日本の場合は「櫛(くし)形」といって、北から各電力会社間の送電系統をつなぎ、互いに電力をやり取りしています。そして電源周波数も50ヘルツと60ヘルツに分かれているなど、ものすごく脆弱な基盤にあります。「高品質の電気を安定的に供給すること」は、これからの国際競争、国家存立をも左右する大変重要な課題です。

第4は「バランスの取れたエネルギー政策の重要性」です。エネルギー政策の目標は、「エネルギーの安定供給」がベースにあります。これに経済性や、CO2の少ない低炭素性、安全性、自然災害への強靱(きょうじん)性といったことが加わります。こうした多様な政策目標をどう実現するか。このうちの一つ二つを無視するならば、かなり選択肢は増えるのですが、日本の取り得る選択肢は、ヨーロッパとか米国などに比べて非常に限られた、狭いパスを行かなければなりません。今回の原発事故によってさらに、そうした難しさが増しております。

再生可能エネルギー、原発の代替は可能か 2011.5.2

 

産経新聞 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110502/mca1105020857004-n1.htm

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 福島第1原子力発電所の壊滅的な状況を目の当たりにして、原発の安全神話は完全に崩れ去った。政府は平成22年のエネルギー基本計画で原発を軸に据えたエネルギー政策を打ち出したが、路線転換は必至だ。発電電力量の3割を担う原発をすぐに全廃するのは現実的ではないが、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの潜在能力はどの程度のものなのだろうか。

 

原発の新規は不可能

 

 エネルギーは「安定供給性」「環境適合性」「経済効率性」を柱とする総合力が求められる。全てを満たす基幹エネルギーは存在せず、原子力、火力、水力を組み合わせて対応している。

一方で、福島の事故は「安全」「制御」という原発の要を突き崩した。産経新聞が震災後1カ月の時点で企業にアンケートを取ったところ、「(原発を)減らす」と「新規凍結」が34%を占め、31%が「分からない」と回答した。節電で打撃を受ける企業ですら、原発への信頼が揺らいでいる。

 基本計画が示した「2030年までに14基を新設」というロードマップは頓挫するだろうし、定期点検で停止した原発の運転再開も不透明だ。

原発が停止した場合、どの程度の出力を持つ電源が必要なのだろうか。

日本の原発54基の総出力は4885万キロワット時だが、震災発生時に19基(1670万キロワット時)が定期点検や復旧作業で停止しており、35基(3214万キロワット)分が目安となる。また、設備稼働率が60%程度であるから、発電量だけなら、計算上は2千万キロワット時あれば、原発をゼロにすることが可能だ。

 

太陽光、風力は時間

 

 再生可能エネルギーのうち、太陽光発電の導入量はまだ277万キロワットだ。環境省は中長期的に3700万~5千万キロワットに増やすロードマップを描いている。

 太陽光は、エネルギー源に困らず環境にやさしく、産業の裾野が広いという長所がある。一方で発電原価が圧倒的に高い。発電単価が最も安いのは原発の5~6円/キロワット時。これに対して太陽光は49円/キロワット時だ。システム価格を3~5年で半額程度にすることを目指しているが、それでも経済効率性に課題は残る。

また、エネルギー源に困らないとはいえ、夜間は発電できず、天候にも左右され、出力が不安定だ。稼働率は低く導入量の十数%程度にとどまる。さらに、本格導入には電力の流れを供給側と需要側の両方から制御、最適化する次世代送電網(スマートグリッド)が不可欠だ。リチウムイオン電池やナトリウム硫黄(NAS)電池など蓄電池のコスト削減も急務だ。

2005年から導入を進めているドイツでも導入量は980万キロワット、それに次ぐスペインで350万キロワット弱。原発代替となるには時間が必要だ。

風力も太陽光と同様の長所、短所を持つが、発電原価では10~14円/キロワット時と割安だ。導入が比較的手軽なことから世界中で増設が進む。日本は平成22年で218万キロワット強だが、中国は4473万キロワット、米国も4018万キロワット、ドイツも2710万キロワット、スペインが2070万キロワット。稼働率の問題は残るが、規模は大きく、原発代替の可能性も出てくる。ただ出力が不安定で蓄電池やスマートグリッドの必要性は太陽光と変わりない。

 

潜在力持つ地熱

 

 これに対し出力が安定し、世界屈指の潜在力を持つのが地熱だ。地中の蒸気でタービンを回し発電をする仕組みで、石油危機の1970年代に注目されたが、原子力推進政策の陰に隠れ開発は下火だ。

 国内の地熱発電所は東北、九州など18カ所にある。出力1万キロワット以上の開発は最近でも15年前で、出力は54万キロワットのままだ。

 課題の一つは開発コストだ。蒸気が得られるかどうかは費用負担の大きい試掘頼みで、開発地域ごとにコストの差は大きい。発電原価は8~22円/キロワット時と、原発並みになることもあれば、4倍近くになることもある。

 また、開発有望地の多くが国立公園や温泉リゾートにあることも開発の制約要因だ。

しかし日本の地熱資源量は2054万キロワットで、原発補完のポテンシャルを持つ。

いずれの電源も課題はあり、明日から原発を代替するというわけにはいかない。しかし、採算ベースに乗れば電力会社の対抗軸にもなる。地域独占の市場に競争原理を持ち込む可能性もある。10年、20年という期間で原発代替を目標に技術開発を進めたい。(経済本部長・谷口正晃)

これまでの風力発電(小型・中型タイプ)

風力発電機の大型タイプは、より大きく、より高くの大規模高出力タイプが開発されてきている。またウインドファームとして大規模開発が計画されている。

 

一方小型、中型タイプはより高性能を求め開発に凌ぎを削っている。

 

そして、日本の風土にあう日本独自開発の風力発電機が求められている。

 

世界の風力発電開発

世界初の風洞発電 WIND TOWER

 

風力発電は「風まかせ」。変動率が高く、稼働効率の悪い従来の風力発電

風力発電の歴史は紀元前1,000年(エジプト)まで遡り、また風のエネルギーは半永久的な非枯渇性エネルギー資源として昔から貴重なエネルギーとして考えられてきました。近年、特に風力エネルギーはその生成過程で物質変換を一切行わず、廃棄物も出さないクリーンなエネルギー資源として大きな期待がされています。

しかしながら、これまでの風力発電技術はいずれも「あるポイント」を設定し、そこに風が吹くことを期待したものであり、常時依存型の「風まかせ風車」からの脱皮ができない方向性のまま進化してきました。そのため「風力発電=エネルギー密度が低く、変動性が高いために稼働率が悪く、電源としての活用に難点がある」というレッテルを貼られてきたのも事実です

これまでとはまったく違う新しい概念「風洞発電」とは?

 風は実に気ままなものです。右から吹いた風が今度は左から、猛烈な風が来たかと思えば、ぴたりとやんでしまう・・・・そんな気ままな風をどのようにあつめることができるのか・・・。弊社の開発テーマはこの「風の集め方」でした。そして導き出した結論は「どこから吹いても、いつ吹いても、風の強弱に関係なくすべてを受け止める仕組み」=(風洞理論)でした。

 弊社のウインドタワー(WIND TOWER)は六面体の立方形です。どの方面からでも、どの高さからでも、風の強弱に関係なくすべてを捉えます。そして一度捉えた各々の小さな風は3点圧縮により、集合体となり、更に風の抜け道に向かって風洞内にて再度力を集合して出口に向かいながら加速していきます。排出側に気圧を変える装置が備えられ、強い風流体を生み、これまで考えつかなかった風エネルギーを作り出すのです。

 これまでの風の流体力学やBetz限界値等の理論では考えられない新しい視点と発想にて風を捉える事に成功したからこそ発見された新しいエネルギーのシステムなのです。

WIND TOWER概略図

WIND TOWERの特徴http://www.zenasystem.co.jp/wind_tower/index.html

風力発電設備の設計と問題点

  風力発電の問題点の整理

 

・低周波ノイズの発生(モーター音、風きり音、回転軸音)がある。

・強風時、台風などの大きな風圧時に風車、タワーが破損する。

・日本の地形と年間平均風量などにより設置場所が限られている。

・景観、バードストライク、ブレードの反射光など環境問題。

・経済性からの大型化によって発電装置の複雑化と大規模化により高価格になる。

 

-これまでの日本の風力発電の問題点とは-

・風力発電は風任せである

・風力発電は風に弱い

・風力発電は電気がないと動かない

・風力発電は精密機械である

日本風土に合わないから故障・事故が多く広まらない

         ↓

安心・安全な日本の風土に適した風力発電の開発が必要

 

 風力発電設備とは

風力発電設備は、風によるエネルギーをプロペラなどに伝達し、回転させることにより起電力を生み出す発電方式です。風力を利用することで、化石燃料を使用することなく、また風力という無尽蔵なエネルギーの利用と言う点から、二酸化炭素発生量の削減が期待されています。

風は、太陽熱の温度差によって発生する現象ですので、広義な意味合いとすれば、太陽熱利用エネルギーとも言えます。従来から風を利用した設備は数多くあり、風を受けて進む帆船や、風で風車を回転させて製粉を行うなどで利用されてきました。

風力によるエネルギーは、太陽熱を得られる限り存在する、無尽蔵に発生する再生可能エネルギーですから、二酸化炭素や排気ガスが発生することなく、クリーンな発電設備として注目されています。風の運動エネルギーの40%程度を電気エネルギーに変換することができる高効率なシステムが確立されており、安定した風を得られる環境であれば、発電設備として利用することが可能です。

風車の形状も多数あり、プロペラ型、サボニウス型、ダリウス型、オランダ型などが代表的です。それぞれのプロペラ形状により、発電効率や風を捕捉する性能、騒音値などが違っており、設置場所や用途に合わせて選定する必要があります。

しかし、風力発電設備には数多くの問題点があります。風力発電はエネルギーの発生が安定せず、大容量な発電を期待するには、非常に大きなローターやブレードを設置しなければなりません。また、風が吹かない時間はまったく発電しないので、発電時間が不規則で、地域によってばらつきが大きいため、NaS電池などの大容量蓄電池などに蓄電し、放電するような使用方法でなければ、ピークカット用途として使うことができません。

プロペラの回転音が騒音問題となる事例も多く、プロペラから発せられる低周波音は近隣に住む人達に、低周波による騒音公害を与える可能性があります。また、高速で回転するプロペラは、鳥などの動物に接触するおそれがあり、付近の生態系を破壊する原因になる可能性もあります。数多くのデメリットを勘案した場合、個人ユースで風力発電設備を導入するメリットが少なく、提案や検討には細心の注意が必要です。

 風力発電設備の構成機器

風力発電設備は、風力エネルギーを機械的なエネルギーに変換するためのブレードとハブを組み合わせたロータ部、発電機に動力を伝達するための伝達軸、増速機や発電機、制御装置を組み込んだナセル部を持ちます。また、本体外に発電した電力を受ける変圧器、パワーコンディショナー類、出力・運転制御を行う制御部を配置します。

ブレード

風車の羽根部をブレードと言います。羽根の枚数が少ないと、回転速度が速くなり、騒音が発生する原因となります。現在の主流は3枚の羽根を組み合わせたプロペラ型です。ブレードの材質は、ガラス強化プラスチックが多く採用されています。

ハブ

ブレードを固定する部分のことで、ブレードで受けた風力エネルギーによる回転力を、軸部に伝達します。ハブには、ブレードの回転速度を制御するため、ピッチ角を制御することができる可変ピッチ制御機構を組み込んだ製品も存在し、強すぎる風速で破損しないように制御すすることも可能です。

発電機

ロータの回転で生じた風力による回転エネルギーを、電力に変換するものです。周波数制御が不要な誘導発電機が採用されています。

ナセル

ポールやタワーの上部に設置する、風力発電設備の心臓部です。増速機や発電装置、運転制御装置などを格納しており、風車の胴体部として扱われます。

 風力発電設備の形状

水平軸型風力発電設備(プロペラ型)

風力発電設備の風車選定として、もっとも多く普及しているのはプロペラ型のものです。多くは3枚の羽根(ブレード)により風を捕捉して回転動力を生みます。発電効率が良く、低風速でも自己起動が可能で、数千kWもの大出力な発電装置を計画することもできます。

しかし、水平方向に流れる風を受け止めてプロペラを回転させる必要があるため、風向制御が必要になります。また、ブレード回転の騒音や振動が大きいことや、発電装置がブレードの中心部分付近にあるため、点検が困難などの問題点が挙げられます。また、ブレードが鳥に接触する事故が多く、自然環境を逆に悪くしていると言われることがあります。

一般的に、風邪は地上から高いほど強く吹きますので、風車の設置位置はできるだけ高くしたほうが有利です。また、風車によって取得できるエネルギーは風車の受風面積に比例しますので、大きな風車ほどおおきな発電量を期待することができます。例えば、500kW級の大型発電機のプロペラのブレード幅は、40mなど非常に大きな形状となっています。

垂直軸型風力発電設備(サボニウス型)

街路灯などに併設された小型風車として、サボニウス型風力発電設備も広く普及しています。駆動部を垂直軸にすることで、風向に影響されることなく、駆動部を回転させて発電することができますので、都心部など風向きが変わりやすく、また騒音に配慮しなければならない条件においても、効率良く設置することができます。

しかし、発電効率はあまり高くなく、数十から数百ワット程度の小型な風車が主体であり、1台あたりの出力が小さく、大出力を望めませんが、微風でも捕捉して回転する起動性の良さ、どの方向からの風でも回転するため風向制御が不要であること、発電機が地上近くにあることのメンテナンス性の良さなどから、環境啓発の一環として採用、設置されることがあります。

前述したように、発電効率が悪いので、負荷が小型照明のみの場合でも、風力発電による電力だけで照明の点灯をまかなうのは、ほぼ不可能といえます。一般的に販売されている風力発電が付設した街路灯に太陽電池が併設されていることでわかるように、風力発電設備の電力で定常的に電気を供給するのは困難です。

特に、プロペラ型風車以外の風力発電設備は、発電設備としての位置付けではなく、モニュメント的な意味合いが強いものです。効率を重視する場合はプロペラ型風力発電設備を選定し、デザイン的な観点の場合は、サボニウス型風力発電設備を選定することが良いでしょう。

垂直軸型風力発電設備(ダリウス型)

縦方向に、湾曲して伸びる羽根が風を補足し、回転する風車をダリウス風車と言います。設置コストが小さく、風向にかかわらず発電することができるため、風向制御機構が不要です。発電機が地上に設置されるため、発電機が故障した場合などの点検・修理が容易という運用上のメリットがあります。また、強風でも騒音が小さいという利点から、都心部での設置にも耐えます。

しかし、プロペラ型の風車より発電効率が低く、発電量の確保が困難という欠点があります。また、自力で指導することができないため、始動装置が必要になるという点にも注意が必要です。サボニウス型風車と同様、環境啓発やアピール用としての利用が主体となります。

 風力発電設備の設計

風力発電設備に必要な風速

風力発電設備は名前の通り、風を捕捉できなければ発電することは出来ません。一般的に、都心部の風速は3m/s程度ですので、都心部に設置されている風力発電設備で、実用化できるだけの発電量を確保できているものは、ほとんど存在していません。海岸沿いや山間部において、常時風速7.0m/s以上の風を得られる環境であれば、十分な発電量を見込むことができますが、都心部では十分な発電量を得られる風速とは言えません。

風力発電設備を計画・提案する場合は、その設置場所の数年に渡る風況などを十分調査し、実際に発電できる電気容量を把握し、施主に対して「発電しないリスクがあること」を十分に理解してもらうことが重要になります。

 風力発電設備の設計の問題点

風力発電設備を計画する場合、原則として地上設置とします。屋上など、建物の躯体に支持固定すると、プロペラの回転による振動騒音が建物内部に伝搬して、クレーム問題になることがあります。定格出力が1kW程度の小型風車でも、台風のような強い風が吹くと、大きな振動と騒音を発生させることがありますので、防振ゴムを敷設するなどの対策が必要になります。

設置場所の風況は、風力発電の計画でもっとも重要です。年間予測発電量は風況に左右されるので、風力発電設備を設置する地域の平均風速や、風の方向などを、十分把握しておく必要があります。また、建物の風下に設置すると、風が乱されるため想定していた風量を確保することができず、発電効率が悪化することがあります。国内の平均的な風速である34m/sでは、定格電力1kWの風力発電設備を設置したとしても、数十ワットの発電量しか期待することができません。

風力発電設備を隣接して多数設置する計画の場合、離隔距離を十分確保することが重要です。特に、プロペラ形の風力発電の場合には、さらに配慮が必要です。一つのプロペラ形風車が風を受けた場合、風車近辺の風方向が変わります。近くにプロペラ形風車があれば、乱された風の影響で適正にブレードを回転させることができず、発電効率が悪化します。

強すぎる風速への保護

風力発電設備は、強すぎる風に注意が必要です。風の力で風車を回転させ、回転運動を発電機に伝えて発電させますので、風が強ければエネルギーが大きくなり、故障や損傷の可能性も高くなります。風力エネルギーは、風を受ける面積と風速の3乗に比例したエネルギーを生み出しますので、風を受ける面積や空気の密度が一定とすれば、風速が2倍になると、風力エネルギーは8倍にもなります。

風が強いほど大きな発電量を確保できることになるため、風が強いほど都合が良いと考えがちですが、実際には3m/s20m/s程度の風速が安全に運用できる範囲となっています。台風など、風速25m/sを超えるような強い風が吹いた場合、ブレードの回転速度が高速になりすぎるため、駆動部分が破壊されたり、本体が吹き飛ばされる危険性があります。

強すぎる風を捕捉した場合、風車が破壊されないようブレードの向きを変えるなどして、風を受けても回転しないようにする機構を持たせ、機器の保護を行っています。

風力発電の騒音問題

風力発電設備は、プロペラを回転させることによって発生する低周波音が、問題点となります。風が強い時には、振動と共に、低い大きな回転音を発生させますから、風力発電設備を設置する場合、騒音の検証を十分に行わなければいけません。

住宅が近くにある場所に風力発電設備を設置した事例においては、夜に眠れなくなったというクレームや、体調不良になったというクレームが頻発しており、時に社会問題ともなります。自然エネルギーを利用した発電装置として太陽光発電設備がありますが、これは騒音を発生させることがありません。風力発電は、大きな発電に騒音が伴いますので、騒音の抑制が重要な課題になります。

 風力発電の系統連系と、電源接続の考え方

風力発電設備から生み出される電力の系統連系を計画します。風力発電設備で生み出された電力は非常に不安定であり、常時定量の電力を期待することができません。よって、常に商用電源が供給されている系統に連系させて接続するか、風力発電から直接蓄電池を充電し、所定の電源容量・電圧を確保し、蓄電池からの放電で使用するかの判断となります。

風力発電設備で発電される電力は、風況とリンクしているため、風が強い時には大きな電力が発生し、風が落ち着いたら発電量が低下するという繰り返しになります。よって、電圧・周波数・発電電力量の管理が困難です。例えば、夜間軽負荷時に風力発電設備からの電力を電力会社の送電線に逆潮流されてしまうと、送電線に不具合を起こすおそれ(異常電圧の発生・高調波の流入など)があるため、電力会社から系統の解列を要望される場合があります。

こうなると、風力発電設備で発電した電力が、まったく無駄になってしまいます。風力発電設備の系統連系は電力会社側の制約も多くなるため、理想的な電力使用ができない可能性があります。また、余剰電力の購入による減価償却という観点からは、回収不可能であることも理解しておく必要があります。

 風力発電設備の雷保護、防護の考え方

風力発電設備は発電設備に該当し、20kW未満の場合、一般用電気工作物に該当する電気設備です。建築基準法上の建築設備扱いになるため、20mを超えた場所に設置する場合、避雷設備で雷保護を行う必要があります。

風力発電設備の損傷事例として、台風による強風でのブレード損傷、鳥の接触(バードストライク)によるブレード損傷、落雷などがあります。強風での損傷対策は各メーカーともに対策しており、規定以上の風速があった場合には発電を止め、風を受けないようにブレードを側面に向けるなどの対策がされています。

施設に設置する小型のものでは、バードストライクはあまり事例がありませんが、落雷でブレードが吹き飛ぶという事例は頻繁にあり、落雷保護は慎重に計画しなければいけません。ブレードの損傷以外にも、落雷によって発電機が破損、電線の焼損などのおそれもあります。

http://saijiki.sakura.ne.jp/denki2/air.html 電気設備の知識と技術より転載

風力発電導入促進のための風況マップ(東北地方)

環境省では、風力発電の導入ポテンシャルが大きな東北地方における風力発電の導入を促進するため、気象シミュレーション技術を活用して、東北電力供給管内7県(青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島・新潟)の過去20年間の年平均風速と変動(標準偏差)を約500mメッシュで解析した風況データベースを作成し、これを地図情報と関連付けた「風況マップ(東北地方)」を公開しましたのでお知らせします。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/windmap/index.html

 

1.風況マップ(東北地方)の作成の背景・目的

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災を受け、我が国では地球温暖化対策・エネルギー政策の両面から、再生可能エネルギーの導入を一層加速することが求められています。そうした中、我が国には大きな風力発電の導入ポテンシャルがある一方、風力発電事業を評価するために必要な長期間にわたる風況変動データが不足していることが、風力発電事業の事業性を判断する上で大きなリスク要因の1つとなっています。
 そこで、環境省では、風力発電の導入ポテンシャルが大きな東北地方における風力発電の導入を促進するため、当該地域において検討されている風力発電事業の事業性評価に資するべく、風力発電事業者等が風況リスクの評価に利用可能な風況データベースを作成し、これを地図情報と関連付けた風況マップを公開しました。

出典(環境省「風況マップ(東北地方)」)

 

日本独自の風力発電機の開発に向けて

 

日本の風力発電に於いても、新たな発想による技術革新により「効率の良い風力発電機」の開発が必要とされている。

さらに「エネルギーの地産地消」として「持続可能社会」の構築が望まれる。

そこにこそ「新たなエネルギー革命」への第一歩が刻まれる。

 

勝手創千界への

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2013年

6月

09日

勝手創千界から世界へ

この世界が持つ多くの問題への解決は待っていては果たせない

より良き社会を目指して我が「勝手自由なる提案」を創り上げていく

そして「勝手創千界」の描く世界から解決に向けての一歩を踏み出す

10 コメント

2013年

1月

01日

勝手にエネルギー論を構築する

人類の行く末は「エネルギー」を如何に獲得していくかである。

日本の社会も経済も「エネルギー問題」の解決抜きには語れない。

6 コメント

2012年

10月

02日

新しいエネルギー開発に向けて

「水危機」と「エネルギー危機」が目前に迫っている。この二つの「危機」だけでも「人類の生存基盤」の危機である。 一刻も早く、地球と人類にとって安全・安心な「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」の開発が求められている。

10年、100年先の「危機管理」として、今から行動しなければ遅いことは明白だ。

「消費社会」から「循環社会」「持続可能社会」「自然共生社会」「エネルギー自立社会」へ向けての「意識改革」と「構造改革」が重要である。

7 コメント

2012年

7月

08日

新しい日本改造に向けて

国の言う「国民のための判断」が本当でないことが明らかにされているいま

国民の持つ価値観として、何が大事で何が大事でないかという判断や、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けの体系の価値判断から、3.11震災を契機にした「新しい価値観」と「国民全体の幸福度」についての「提言」が、いまこそ日本に必要である。

10 コメント

2012年

6月

04日

勝手に発想法を研究する

差し迫る「少子高齢化の縮小社会への突入」「産業の空洞化」「エネルギー問題」「雇用問題」「財政問題」等々・・・日本社会が抱える問題は多岐に渡るが、政治や行政や官僚に「問題解決能力」の欠如が著しい。

さらに日本の技術を支える産業界や学界の「研究開発機関」においても「劣化」が進んでいる。

今こそ「フロンティア精神」と「新しい発想」が連動して「革新的なイノベーション技術」を生み出していくことが必要だ。

6 コメント

2012年

5月

01日

自然エネルギーと共に生きる

日本の自立と未来を切り開くためには、日本の国土に適合した再生可能エネルギーの社会が必要であり、最先端の日本技術を結集して「世界に誇れる日本」を創っていかなければならない。

15 コメント

2012年

4月

07日

勝手創千界から「尊敬される日本」へ

まず、現状のまま進行した100年後の日本の未来を想定し、その想定社会状況から、今必要な「方策」を考えてゆく視点が必要ではないかと思っています。新しい視点が必要です。

「勝手創千界」による「勝手な発想」が「脳内停止」状態の人々に「インパクト」を与えなくてはいけません。

13 コメント

2012年

3月

11日

3.11震災から海上都市計画へ

3.11震災を契機として、日本という国家のもつ様々な問題点が明らかにされ、新しい国家像が求められている。たぶんこのままでは、さらに日本の解体状況は進んでいくだろう。ラブーン海上都市計画がひとつの方向性を提示できればと思う。

8 コメント

2012年

2月

19日

勝手に復興計画 in 石巻を提案

3.11震災からの新しきまちづくりとして「勝手に復興計画 in 石巻」を発進いたします。

6 コメント

2011年

12月

31日

ホームページ開設

3.11震災以降、如何にすれば「津波につよいまち」が可能なのか?考えてきました。

その「ひとつの答え」を提示できればと思います。実現に向けて多くの人の意見を求めています。

4 コメント