「フロンティア精神」と「新しい発想」

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-1

 

現状の閉塞感漂う日本の未来を考えるとき、「どのような将来像と国家像」を持つのかの「方向性」を示さなければならない。

それは「豊かで幸福な国家」であり、それを可能にする「ロードマップ」を持つことである。

その過程を示す上で「特許明細書」での論理的な解決手段が有効である。

すなわち

①「発明の属する技術分野」-解決しようとする問題の分野を示す。

②「従来の技術」-現状のレベルの技術・方法を分析する。

③「発明が解決しようとする課題」-解決しようとする問題点・課題を示す。

④「課題を解決するための手段」-課題を解決するための手段・方法を示す。

⑤「発明を実施するための形態」-課題を解決するための具体的形態を示す。

⑥「発明の効果」-課題を解決したときの効果・意義を示す。

⑦「図面」-課題を解決すための具体的な図を示す。

⑧「特許請求の範囲」-新しき発明の権利内容を示す。

 

このように「特許」という世界では、あらゆる分野での「新規性」と「進歩性」に対する競争が世界中で日夜行われている。

この中から「未来の技術」が生まれてくる可能性が高い。

当然「新規性」と「進歩性」は「フロンティア精神」に結びついている。

そして「どのような将来像と国家像」を問うときに、大きく「技術的可能性」や「社会性」「経済性」「環境性」「持続性」等の総合的な「政策」として、具体的な「ロードマップ」を創ることが求められている。

それは、一人の人間の「束縛されない自由な発想」と「未来にかけるフロンティア精神」から生まれてくるものである。

過去の日本人には、この「フロンティア精神」を持った「偉人」が歴史を創ってきたのではないかという思いがある。しかし、どうも最近ではこの「フロンティア精神」をもつ日本人が見えてこない。

 

フロンティア‐スピリット 【frontier spirit】 「フロンティア精神」

・開拓者精神。特に米国の西部辺境における開拓者たちの精神。剛健・忍耐・創意、また闘争性・現実性・利己性などを特色とする。

・アメリカ・西部開拓時代のフロンティアにおける開拓者たちを象徴とする精神のあり方。旺盛な意欲と行動力、前人未到の分野に踏み込むことを恐れない勇気、などのイメージが一般的に想起される。

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-2

 

フロンティア精神の「前人未到の分野に踏み込むことを恐れない勇気」が好きだ。

例えば新しい風力発電の開発をしたいとします。

そのために、まず「課題」を自らに課せます。

風力発電-「従来の技術」-の最大の欠点は「風が吹かないと発電できない」」-「発明が解決しようとする課題」-ことです。

「どうしたら風が吹かなくても発電することができるのかと考えます。

ここから「風とは」「風が吹くとは」「なぜ風が吹くのか」の分析と解明を行います。

そして「風が吹かないとき」には「風を吹かせばよい」-「課題を解決するための手段」-のではとの発想を得る。

そして「風・気流・風力」を作り出す具体的な方法-「発明を実施するための形態」-を研究します。

風の流れは「温度差」「気圧差」によって生み出される。

その原理として「ベルヌーイの原理」「煙突効果」「上昇気流」「竜巻効果」「温室効果」等の原理や実証事象を調べます。

そのなかで「風を吹かす」具体的な装置の形や工法を様々な試行錯誤から編み出します。

最も良いと考えられる「課題を解決する仕組み」を「図面」で表現します。

風力発電で風況に左右されない「新しい風力発電」は再生可能エネルギーの拡大-「発明の効果」-につながると思う。

 

自分なりの「エネルギー問題」の「解決策」を提示していければ良いと思う。

 

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-3

 

日本人の発明による代表的なものである。

それは「旺盛な社会を変革しようとする意欲と発想力と行動力」の「フロンティア精神」から生まれてきた。

今後「日本と世界を変える発明」が求められている。

 

日本人の発明

インスタントラーメン

世界初のインスタントラーメンの名前は日清食品のチキンラーメンでした。今も売っています。
特に、日本のインスタントラーメンは、アジア諸国では絶大な人気です。

リチュームイオン電池

百年に一つと言われるリチュームイオン電池。
開発者は、京都大学院出身で旭化成の吉野彰氏

LED
青色発光ダイオード

この技術はエジソンの発明した電球にも匹敵するとも言われている。
実用的な青色LEDの発明者は赤﨑勇氏(工学博士。現 名城大学理工学部教授、名古屋大学名誉教授。京大理学部卒)だが、中村修二氏は、よりも早く大量生産に向いた方法を開発した点が功績といわれている。

フラッシュメモリ

フラッシュメモリはデジタルカメラなどの記録メディアに使用され、東芝が特許として出願登録している。
発明者は元社員の舛岡富士雄(東北大学教授)

光ファイバー

今話題の、光通信でお馴染みの「光ファイバー」を初めて発明したのは、日本の研究者である東北大学の西澤潤一教授

ネオジム磁石

現在、最強の磁力を持つ永久磁石は、住友特殊金属の佐川真人が開発した「ネオジム磁石」。これは、フェライト磁石の100倍以上の磁力を持もつ。この飛躍的に向上した超強力磁石のおかげで、モーターの小型化が実現。携帯電話始め全ての電気製品の小型化ができたのです。

レトルトカレー

お湯に入れて3分間温めるだけでカレーのできあがり。
世界初のレトルト食品は大塚食品のボンカレーでした。
今から40年前の話です。

インスタントコーヒー

インスタントコーヒーは、アメリカに住んでいた日本人科学者の加藤博士という人が、1899年発明したとされている。

缶コーヒー

コカコーラ日本法人で開発され、アメリカ人役員にプレゼンしたら不評だった。が発売したら大当たり。

胃カメラ

病院で、胃にできた病気を診断する胃カメラ。このカメラを発明したのは、オリンパス光学工業の杉浦睦夫です。おかげで、体を切らずに中を調べることが出来るようになりました。

ヘッドカバー

ゴルフのヘッドカバーを最初に発明したのは、日商岩井の創立者である高橋誠一氏。

養殖真珠

昔は天然のものしかなかったが、1893年、御木本幸吉さんが、世界で初めて真円の真珠を人工的に養殖することに成功した。「ミキモト」ブランドで世界中に輸出されている。

VTR

家庭用ビデオテープレコーダーはSONYが世界で初めて制作したものです。当時、VTRといえば放送局用のしかなく価格も2千万円もしました。

鉛筆

鉛筆の歴史は古く、伊達政宗も使っていたとされています。

味の素

東京大学理化学研究所の池田博士が、昆布から出るうま味成分、グルタミン酸塩を主成分とする調味料製造法を発見。特許を取る。

オセロ

上司の碁につきあわされるのに辟易した部下が、もっと短時間で終わるゲームを!てことで、オセロが生まれたそうです。

回転寿司

元禄ずしの社長が発案者。

ハンダ

ハンダで金属を結合するもの。半田さんの発明。
これがなければ世界のエレクトニクスはなかったでしょう。

   

渦巻き蚊取り線香

ユーゴスラビア原産の涸れた除虫菊の回りで、何匹も昆虫が死んでいるのが見つかり、この花に殺虫効果のあることが発見される。上山英一郎がこれを使い渦巻きに線香をつくる。「香取線香」の誕生です。

八木アンテナ

八木アンテナはせっかく特許申請出されたのに、当時の官僚が理解出来ず却下される。

トマトケチャップ

1907年「明治40年」の日本。当時、トマトは「赤ナス」と呼ばれ、主に鑑賞用として栽培されていました。その鑑賞用のトマトを上官からご馳走になった蟹江一太郎という人が、あまりのおいしさに感動し、自分でも栽培を始めました。

コンタクトレンズ

メニコン創業者の田中恭一氏が 研究、開発を重ね、今の角膜コンタクトレンズが出来た。世界中が驚いたそうです。

飛行機

一般にライト兄弟が有名ですが、実はその10年前に世界で最初に飛行機を作ったのは、日本人の二宮忠八。それは、1891年4月21日のこと。

灯油ポンプ&
フロッピーディスク

灯油缶から石油ストーブの入れ物に灯油が流れるポンプ。
これを発明したのは、発明家のドクター中松。中学生のころに思いついたとのこと。
PCのフロピーディスクの特許も、ドクター中松が持っています。

カラオケ

カラオケは今や、海外にもたくさん輸出されている日本を代表する文化です。 1971年、バンドマンだった井上大佑氏の発明です。

シャープペンシル

発明したのは、1915年、早川金属工業です。シャープペンシルが大ヒットし、有名になったので、社名を「シャープ」に変えた。今は、液晶テレビやPC、家電で有名。

極小モーター開発

FDK株式会社(社長:杉本俊春)は、世界最小ステッパモーターを開発した。

自動織機

トヨタの創業者の豊田佐吉さん1890年に日本で初めての自動織機を完成させた。

乾電池

今から120年前、時計づくりの技術者だった新潟の屋井先蔵が発明

冷やし中華&
焼き餃子

中国にも冷麺など似た料理はありますが、「冷やし中華」は日本発。

フィンスタビライザー

客船やフェリーで使われている横揺れ軽減装置のフィンスタビライザー。この発明は三菱造船(現三菱重工業)の元良信太郎博士による造船技術上の傑作だ。

http://www1.ocn.ne.jp/~siesta/hatumei.htmより引用

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-4

 

私にとっては「シャープペンシル」は想い出深い。40年前に設計は基本的に「鉛筆」で図面を書いていた。

「電動の鉛筆削り」と「芯研ぎヤスリ」を使っていて、線を引くたびに「ガガガ~」と鉛筆削りの音がうるさかった。今から考えると非常に効率が悪かった。何年かすると「シャープペンシル」を使うようになった。製図は0.5mm芯のハイポリマー芯を使うが、当時は高価であり、よく芯がポキポキ折れていた。しかし「画期的」に効率が上がった。

 

以下シャープ社史より引用

「-世界に先がけた金属製-

今日では誰もが知っているシャープペンシル。独創的な芯の繰り出し装置を発明し、世界に先がけて実用に耐える金属製にしたのが早川創業者です。

 当時、繰出鉛筆と呼ばれるセルロイド製の筆記具がありましたが、太くて見かけが悪い上に壊れやすく、実用にはほど遠いものでした。早川創業者は、得意の金属加工技術で構造や外装を変えることに熱中し、ついに堅牢で美しいニッケル製として完成させました。1915年(大正4年)のことです。

 これを早川式繰出鉛筆と呼んで特許を申請し、あらためてスクリューペンシル、プロペリングペンシルの名で売り出しました。

-欧米で大ヒット-

 ところが、発明当初の販売は、予想に反して困難を極めました。 軸が金属なので冬には冷たく感じるとか、和服には向かないという文具界の不評に、懸命の説得を続けました。

こうした事態が一変するのは、横浜の貿易商社から大口の注文が入り、欧米で引っ張りだこになったためです。 評判を聞きつけた国内の問屋筋からも次々と取引の申し入れがあり、やがて品不足で製作に追われる日々になりました。

 この年、早川兄弟商会金属文具製作所を設立し、金属繰出鉛筆を中心にした事業を展開しました。

-シャープペンシルの名前-

 金属繰出鉛筆はさらに改良を重ね、1916年(大正5年)にはこれまでにない極細芯の近代的な筆記具に成長し、大正デモクラシーという、当時の自由で民主的な時代の流れに合った、軽快さとモダンさを備えた先端文具として一世を風靡しました。

 名称もエバー・レディ・シャープ・ペンシル(常備芯尖鉛筆)と改め、さらに後にシャープペンシルとなりました。当社の社名が、このシャープペンシルに由来しているのは言うまでもありません。」

 

さらに1960年、大日本文具(現在のぺんてる)がハイポリマー芯を開発。これにより、現在使われている0.5mm芯が完成。これを中核とした芯のバリエーションも増える。これ以降折れやすいというシャープペンの芯のイメージは徐々に払拭され実用的な筆記具として市井に受け入れられていくことになる。この頃各社がノック式の機構を開発したことから一気に広まり、1980年にゼブラが1本100円の製品を発売するなど低価格化も進んだ。

「シャープペンシル」一つとっても歴史があり苦労があり革新ある。

一人の「フロンティア精神」から技術革新が生まれる。

 

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-5

 

-日本は流れから完全に取り残されている-

「すでに海外では、農業革命・産業革命・IT革命に続く「第4の革命」と呼ばれるほど、再生可能エネルギーの市場は急成長を遂げつつあります。「革命」の先頭に立つのは風力発電で、2009年に世界の風力発電総量は前年比31%増の大幅な伸びになりました。

また、発電コストの高さが指摘されていた太陽光発電も、新設では2010年に原子力の発電コストを下回ったとされ、今後急速に市場が拡大すると見られています。」

「世界は再生可能エネルギーへの転換を加速させていますが、日本はこうした流れから完全に取り残されていました。2005年に日本は世界の太陽光発電モジュールの市場で47%のシェアを占めていましたが、2009年には12%までシェアを落としました。風力発電にしても、ドイツやスペインなどの欧米勢はもちろんのこと、中国やインドなどのアジアの新興国にも、導入量で大きく水をあけられています。今回の原発事故は確かに不幸な出来事でしたが、前向きな見方をすれば、再生可能エネルギーへ大胆な転換を図るための好機と捉えることもできるのです。」

 

-一人ひとりがエネルギーについて考える-

 「日本で再生可能エネルギーを普及させるにはどうすればいいのでしょうか。発電設備の導入を容易にするための電力買い取り制度や補助金も確かに重要な施策です。しかし、もっと大切なことは、地域社会を構成する私たち市民一人ひとりが、エネルギーの供給と利用について真剣に考え、実践することではないかと思います。例えばデンマークでは、地域の人たちが意見を出し合い立案した計画に基づいて、発電装置を設置します。公園など景観を損ないたくない場所があれば、市民の合意の下、風力発電機の設置区域からあらかじめ外しておくのです。地域でつくられたエネルギーは市民が利用し、余剰が出れば他の地域に売ります。市民が効率よくエネルギーを生産し、利用すればするほど、自分たちの暮らしも潤う仕組みになっています。

 今後、エネルギー供給のあり方は、従来のように遠方の発電所から一方的に送られてくる「大規模集中型」から、地域で必要なだけ電力をつくって共有し合う「小規模分散型」へと変わっていくでしょう。私たちは自分たちのエネルギーを主体的に選択・生産し、管理する「エネルギー・デモクラシー」を地域に根付かせ、発展させることによって、持続可能な社会を実現することが求められています。」

 

-[ナショナルジオグラフィック日本版の『見てわかる 再生可能エネルギー』の記事を基に再構成]-

 

「一人ひとりがエネルギーについて考える」ということは、一人のもつ「フロンティア精神」なくしては語れない。それは「一般的」ではなく、より「具体的」な内実が必要だ。つまり一人ひとりが「どのようなエネルギーが良いのか」に回答を用意していなければならない。

エネルギー問題においても、一人の日本人の「フロンティア精神」が問われている。

 

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-6

 

「日本の技術力の真価を問う」社団法人日本工学アカデミー

-以下引用-

 

未踏分野をひらいた技術の優位性を大切にする  山 弘郎/HIRO YAMASAKI

 

「かつて日本が圧倒的な技術の優位を誇っていた分野が、アジアの国との競争に敗れてマーケットのリーダーシップを奪われてしまった例が少なくありません。液晶やDRAMなどがそれに当たります。そのように生産量では韓国などに追い越されている産業分野で、韓国の産業技術が我が国のレベルより上なのか、あるいは生産規模はともかく技術開発力は依然優位にあるのか、日本の技術力の真価が問われています。

 これについて私見を述べますと、技術の優位性を失いやすい体質を抱えていることが指摘できます。それは、技術の優位性を維持する戦略の欠如だけでなく、未踏技術の開発が、その改良やコストダウンほど評価されない日本企業の文化が、優位性を確保することを困難にしている様に思われてなりません。

 液晶、半導体メモリーの様に、日本が技術を開発して生産規模も世界最大であった分野では、世界一になるまでに積み重ねた技術成果、ノウハウは大きく、それを獲得するまでの努力や苦労、そして克服した失敗は並大抵のものではないにもかかわらず、短期的な利益に目を奪われて、それを大切にしない文化があるために、追いかける側の集中的な投資によって、トップの座が失われてしまいます。

 新技術の開発段階で開発者が経験した苦労は、未踏分野を切り開いて道のないところに道を付ける努力です。この苦労や失敗を経験した技術者や研究者は、自分の苦労を省みて、そう簡単に追いつけないと思い勝ちです。しかし、すでに実現できることが実証された技術は到達できる道があることがわかっているため、後進は遙かに少ない労苦で追いつくことが出来ます。道があることを実証すること、道がないところに最初に道を付けることが最も重要であるとここで主張したいと思います。

 未踏技術に挑戦する研究者や技術者は現在試みているやり方でゴールに到達できるかどうかは未知であり、将来が未知のために試行錯誤の苦労もするし失敗も経験します。ゴールへの道筋が存在することがわかれば、大幅に努力を省略して成果が得られるわけです。ところが、この点が見落とされています。道のないところに道を付けるという苦労は先駆者の宿命ですが、その苦労がわが国では正しく理解されず、あるいは得られた成果の価値が見落とされているためか、はじめて道を付けた先駆者の努力に対する評価が低く、その価値が十分に理解されません。それだけでなく改良やコストダウンの方が実利に結びつきやすいために高く評価されることが少なくありません。」

 

文中の「新技術の開発段階で開発者が経験した苦労は、未踏分野を切り開いて道のないところに道を付ける努力です。」の意見は、まさに「フロンティア精神」が必要であると解くが、日本では「はじめて道を付けた先駆者の努力に対する評価が低く、その価値が十分に理解されません。」の指摘のごとく、「日本の組織がもつ閉鎖性」と「日本人がもつ閉鎖性」が問題である。技術開発力における「ズル賢さ」の中には何もない。本来「アイデア」「新発想」は一人のもつ「脳細胞の偉大さ」から生まれてくるものであり、何者にも代え難いものなのだ。

 

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-7

 

「日本の技術力の真価を問う」社団法人日本工学アカデミー

-以下引用-

 

研究管理能力について    大島 榮次/EIJI O'SHIMA

 

「技術開発の動機として、ニーズプルとシーズプッシュがあると一般に言われている。より便利、より高性能、あるいは社会の変化に対応するなどの新たな技術がニーズの目標となる。シーズとは新たな特徴をもたらすような現象の発見など、マイクロリアクターやカーボンナノチューブあるいは酸化チタン系の光触媒などのような新たな応用分野の核になるような技術である。何れにしろ、こうした技術開発のプロセスは試行錯誤の繰り返しであり、その経験と知見の蓄積によって理論的な裏付けが生まれ、更に新技術開発の実力が育まれることになる。しかし、技術開発の成果が一旦生産システムとして実用化されると、技術開発力には関係なく誰でもその技術で生産に参入することができる。

 昭和35年以降、我が国では石油化学工業が急激な発展を遂げるが、主要な製品は戦争の空白もあって、かなり早い段階で既に外国で開発されたものが多く、表1が示すように、殆どが外国からの技術導入によって始められている。この表で技術導入による比率が100とある製品がそれを示している。しかし、当時の我が国の化学技術開発力は必ずしも表の数字が示すほど惨めな状況ではなかったが、その頃の経営者は自社の研究陣が開発した未成熟の技術より、ロイヤリティを払ってでも生産の実績のある外国技術を選んだのである。導入後数年にして、ライセンサーがライセンシーである日本企業の実績を評価してノウハウを買いに来たという話があった程、日本の技術の消化力は高いと言える。

 ところで、当時の化学産業は、土地を確保し、銀行から資金を調達し、優秀な学卒の技術者を採用して、技術導入を行えば、誰でもビジネスに参加できる状態であった。その結果、殆どの製品に10社以上の企業がひしめく状況が生まれたのである。このことは、世の中の重心から遠く離れることを嫌う日本企業の体質を如実に表していると言うことができよう。極端に独創的な研究は、出来ないと言うよりは、やらないと言う冒険を嫌う性向があると思われる。

 技術開発力として重要な要件に研究開発のマネージメントの問題がある。企業の研究所では、実用化までもう一歩というところで日の目を見ない研究が意外に多い。悪口を言うならば、養鶏所に似て産む卵は暖めても孵らない無精卵が多いと嘆かれている。新規に計画する研究が実用的に意味があるのか、技術的観点からの実現の可能性、投入すべき資金の額とその経済性など、研究開発においては緻密な計画性が要求されるが、我が国ではその訓練がまだ不充分なように思われる。これが「日本の研究態勢は応用研究は得意でも、新技術の開発に弱い」と言われる原因ではないだろうか。」

 

日本の企業は「極端に独創的な研究は、出来ないと言うよりは、やらないと言う冒険を嫌う性向があると思われる。」の指摘の通り、日本社会の歴史的、文化的な素養が問題である。

これまでは良かったのだろうが、アジアから世界への中国、韓国の躍進を目のあたりにする今、ますます「取り残された日本」が現実であろう。

これからの、あらゆる分野での覇権争い、とりわけ「第4の革命」と呼ばれる「再生可能エネルギー」の覇権争いに遅れるようであっては、日本の未来は暗い。

世界を「あっと驚かせる新技術」を生む「フロンティア精神」が必要だ。

 

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-8

 

「日本の技術世界一」

                 http://fhp.jp/boardwalk/?p=010801&n=

 

・世界初、鉄とアルミを直接溶接  マツダ

2005年6月、マツダは、世界で初めて鋼板(鉄)とアルミニウム板材を直接点接合する技術を開発した。

 

・魚群探知機  古野電気

1948年、古野電気。古野兄弟は、超音波を使った魚群を見つけ出す装置を世界で初めて開発。勘と運に頼っていた漁業を革命的に変えた。

 

・指静脈で認証する世界初のノートパソコン  日立

日立製作所は2005年12月、指の静脈パターンで個人認証を行う小型指静脈認証装置を搭載したノートパソコンを発売した。

 

・世界一厳しい自動車排ガス規制を世界で最初にクリアしたCVCCエンジン 本田技研工業

1970年に米国で施行された排ガス規制法、通称「マスキ―法」はあまりの厳しさから達成不可能と言われたが、これを世界で最初にクリアしたのは本田技研工業(現ホンダ)が開発した「CVCCエンジン」だった。

 

・世界のプロ演奏家の6割が愛用するフルート  村松フルート製作所

1923年創業の村松フルート製作所。年間生産は4,000本だが、世界中のフルート演奏家が来日時には必ず一度は訪れるという。

 

・世界初のガラス製CDを開発  福井末憲

2006年10月、(有)エヌ・アンド・エフ 福井末憲ら。現在のプラスチック盤と違い、音質が劣化せず、いつまでも同じ状態で聞ける「Extreme HARD GLASS CD」を開発。

 

・世界一よく切れる刃物

日本の刀は世界一の固さと柔らかさを持ち世界一の切れ味。その理由は、日本古来の製鉄技術から出来る質の高い鋼鉄「和鋼」と、日本刀独自の製作法にある。

 

・カッターナイフの発明  岡田良男

1956年(昭和31年)、岡田商会(現、オルファ株式会社)創業者の岡田良男が、刃を折る方式のカッターナイフを世界で初めて発明した。

 

・インスタントコーヒーの発明 加藤サトリ

インスタントコーヒーは、1899年、シカゴ在住の日本人加藤サトリによって発明された。1901年にニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会に「ソリュブル(溶ける)・コーヒー」として出品されている。

 

上記は少し資料が古いが、世界に誇れる日本が持つ技術である。

「インスタントコーヒー」「インスタントラーメン」などは、今では生活に根付いていて世界中に商品が行き渡っている。「インスタント食品」の良し悪しがあるが、これも日本の技術開発が「世界に貢献した」一例である。

「昭和」の時代は「日本の黎明期」にあたり、自動車産業、電気製品の世界進出を果たしていて、国内も活気に溢れていて「バブル」に浮かれていたが、「造れば売れる」時代でもあった。

今の平成の時代は、経済一辺倒できたことに、すこし「反省」しなければならない。

そして「世界に貢献する日本」の底力を「第4のエネルギー革命」としての「日本からの新しい再生可能エネルギー」の開発が求められている。

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-9

 

-根本的エンジニアリングとは-

「従来のエンジニアリングの定義は、与えられた課題を、与えられた制約条件のもとで、最適にデザインする、というものであった。しかし、それではこれからのますます複雑化する社会において大きく継続的なイノベーションを引き起こせないのではないか、という問題意識から生み出されたのが根本的エンジニアリング(Meta-Engineering)という概念である。すなわち、見えていない本質的な課題を発掘し(Mining)、制約条件をはずして課題解決に必要な科学、技術、学術を選ぶ(Exploring)、これらを統合して(Converging)解決策を実装し、価値を生み出す(Implementing)ことと定義し、このプロセスをMECIと名づけた。MECIのプロセスをスパイラルに継続するための「場」の構築が、イノベーションを継続して創出するための鍵となると考える。」

今、日本のあらゆる分野での「新しい発想」が求められている。

これまでも様々な「発想法」があるが、そのひとつとして今注目されている「根本的エンジニアリング」という技術開発における「発想法」がある

「新発想」は一人のもつ「脳細胞の偉大さ」から生まれてくると言ってきたが、「危機感」や「問題意識」から生まれてくる「課題」を如何にして「解決」してゆくのかの「方法論」を「自己のもの」にしないかぎり、ただの「批判」だけで終わってしまう。

「フロンティア精神」と「新しい発想」が連動してこそ「あっと驚かせる新技術」が生まれてくる。

(続く)

 

 

日本人の「フロンティア精神」を問う-10

 

人間誰しも「本音と建前」で生きていると言えばそれまでであるが、原発再稼働の論議や対応を見ていると、誰か「本音」だけで生きている「頑固もの」が日本には居ないのかと思う。建前では「原発の安全性」を問い、本音では「経済性」で物事を考える「大人の事情と対応」で、問題の「本質」に迫ろうとしない。

政治は「電気が止まるとたいへんだ」と脅迫し、経済界は「産業の空洞化を招く」と責任転嫁し、原子力むらは「電力が足りないので再稼働」と嘘をいい、国民は「節電は大変だ」と自分可愛さだけである。

原子力政策の問題の「本質」は「制御出来ない技術」と「高濃度放射物質の処理」と「福島原発事故処理」と「今後のエネルギー政策」にあるが、また問題が先送りされそうだ。

世界から10年は遅れていると言われる日本の「再生可能エネルギー政策」がさらに遅れていくのは、日本全体の責任であり、今の「日本人のレベル」を示しているのだろう。

 

「近年わが国において、社会課題の解決につながる根源的なイノベーションが生じていたかの疑問がある。米国においては、情報通信分野においては、クラウド・コンピューティング、エネルギー分野においてはスマートグリッド、情報家電におけるiPodなどがイノベーションとして登場してきている。わが国からの大きな発信が生まれないのはなぜであろうか。」

 

-我が国が重視すべき科学技術のあり方に関する提言(社団法人日本工学アカデミー)より引用-

 

日本の「技術開発力」を問うときに、「極端に独創的な研究は、出来ないと言うよりは、やらないと言う冒険を嫌う性向があると思われる。」の指摘の通り、日本独自の「革新的イノベーション」である「あっと驚かせる新技術」を生み出せずにいる。

差し迫る「少子高齢化の縮小社会への突入」「産業の空洞化」「エネルギー問題」「雇用問題」「財政問題」等々・・・日本社会が抱える問題は多岐に渡るが、政治や行政や官僚に「問題解決能力」の欠如が著しい。

さらに日本の技術を支える産業界や学界の「研究開発機関」においても「劣化」が進んでいる。

今こそ「フロンティア精神」と「新しい発想」が連動して「革新的なイノベーション技術」を生み出していくことが必要だ。

 

(完)

 

アイデア発想法

こちらではアイデアの発想法についてお伝えします。

世には様々な発想法があるが、如何に自らが「新しい発想」を得るかが重要であり、そのヒントにしたい。

 

発想法は「方法論」であり、ここからだけでは「新しい発想」が生まれてこない。

これまでにはない「革新的な発想」は、地道な「研究」と「実践」の進化の中から導き出される、人の持つ「脳細胞」の「神の領域」からの教示である。

 

アイデア発想法

KJ法

川喜多二郎氏によって開発された。

カードにアイデアを書き、分類することによってアイデアを発想する。

詳しくはKJ法で。

NM法

中山正和氏によって開発された。

創造的な思考プロセスを手順化して、その手順に沿ってイメージ発想を行う発想法。

詳しくはNM法で。

オズボーンのチェックリスト

チェックリストを活用して、アイデアを強制的に促す方法。

詳しくはオズボーンのチェックリストで。

SCAMPER法

オズボーンのチェックリスト をボブ・エバールが進化させたモノ。

詳しくはSCAMPER法で。

「なぜなぜ」5回

トヨタ自動車が業務改善をするために開発された。

「なぜ?」を5回繰り返し問いかけ、問題を見つけ出す。

詳しくは「なぜなぜ」5回で。

マンダラート

今泉浩晃氏によって開発されたアイデア発想法

3X3のマトリックスを利用し、アイデアを発想する。

詳しくはマンダラートで。

マインド・マップ

トニー・ブザンによって開発されたアイデア発想法

テーマとなるキーワードやイメージを中央に書き、そこから放射状に展開していくことで、アイデアを発想していく。

詳しくはマインド・マップで。

ブレインストーミング

オズボーンによって開発された発想法。

テーマに関して、アイデアを無秩序に出して、発想していく方法。

詳しくはブレインストーミングで。

TRIZ法

ロシアのアルトシュラーによって開発された。

発明などの世界の特許情報のパターン分析をし、それを元にアイデアを発想する。

詳しくはTRIZ法で。

MECE

MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、

ダブリなく漏れなくという意味。

論理的に考える場合に、有効な方法。

詳しくは、MECEで。

等価交換法

対象となるものを等価にして発想する方法。

詳しくは、等価交換法で。

ロジックツリー

対象となるものを細かく分解することで発想をしやすくする方法。

詳しくはロジックツリーで。

シックス・ハット法

エドワード・デ・ボノによって開発されたアイデア発想法

6つの帽子をそれぞれかぶり、その帽子の視点から考えて発想する方法。

詳しくは、シックス・ハット法で。

ブレイン・ライティング

ブレインストーミング のようにテーマについてアイデアを出し合うが、

ブレイン・ライティング ではシートに書き込むことによって

アイデアを発想する。

詳しくは、ブレイン・ライティングで。

PREP法

4つのフォーマット(Point,Reason,Example,Point)にしたがって文章化することでアイデア発想していく方法。

詳しくはPREP法で。

セブン・クロス法

アメリカのカール・グレゴリーによって開発されたアイデア発想法

セブンクロス(7x7のマトリックス)を使いアイデアを発想していく方法。

詳しくはセブン・クロス法で。

希望点列挙法

こうであって欲しいと思う点を列挙し、それを元にアイデアを発想する方法。

詳しくは希望点列挙法で。

欠点列挙法

欠点などのマイナス点を列挙し、それを元にアイデアを発想する方法。

詳しくは欠点列挙法で。

特性列挙法

ロバート・クロフォードによって開発されたアイデア発想法

名詞的特性、形容詞的特性、動詞的特性に分類し、それぞれの特性を列挙することで発想する方法。

詳しくは、特性列挙法で。

ゴードン法

ウィリアム・ゴードンによって開発されたアイデア発想法

ブレインストーミング を応用したアイデア発想法で、リーダー以外は、テーマを知らないで進めていくアイデア発想法

詳しくは、ゴードン法で。

勝手創千界への

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2013年

6月

09日

勝手創千界から世界へ

この世界が持つ多くの問題への解決は待っていては果たせない

より良き社会を目指して我が「勝手自由なる提案」を創り上げていく

そして「勝手創千界」の描く世界から解決に向けての一歩を踏み出す

10 コメント

2013年

1月

01日

勝手にエネルギー論を構築する

人類の行く末は「エネルギー」を如何に獲得していくかである。

日本の社会も経済も「エネルギー問題」の解決抜きには語れない。

6 コメント

2012年

10月

02日

新しいエネルギー開発に向けて

「水危機」と「エネルギー危機」が目前に迫っている。この二つの「危機」だけでも「人類の生存基盤」の危機である。 一刻も早く、地球と人類にとって安全・安心な「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」の開発が求められている。

10年、100年先の「危機管理」として、今から行動しなければ遅いことは明白だ。

「消費社会」から「循環社会」「持続可能社会」「自然共生社会」「エネルギー自立社会」へ向けての「意識改革」と「構造改革」が重要である。

7 コメント

2012年

7月

08日

新しい日本改造に向けて

国の言う「国民のための判断」が本当でないことが明らかにされているいま

国民の持つ価値観として、何が大事で何が大事でないかという判断や、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けの体系の価値判断から、3.11震災を契機にした「新しい価値観」と「国民全体の幸福度」についての「提言」が、いまこそ日本に必要である。

10 コメント

2012年

6月

04日

勝手に発想法を研究する

差し迫る「少子高齢化の縮小社会への突入」「産業の空洞化」「エネルギー問題」「雇用問題」「財政問題」等々・・・日本社会が抱える問題は多岐に渡るが、政治や行政や官僚に「問題解決能力」の欠如が著しい。

さらに日本の技術を支える産業界や学界の「研究開発機関」においても「劣化」が進んでいる。

今こそ「フロンティア精神」と「新しい発想」が連動して「革新的なイノベーション技術」を生み出していくことが必要だ。

6 コメント

2012年

5月

01日

自然エネルギーと共に生きる

日本の自立と未来を切り開くためには、日本の国土に適合した再生可能エネルギーの社会が必要であり、最先端の日本技術を結集して「世界に誇れる日本」を創っていかなければならない。

15 コメント

2012年

4月

07日

勝手創千界から「尊敬される日本」へ

まず、現状のまま進行した100年後の日本の未来を想定し、その想定社会状況から、今必要な「方策」を考えてゆく視点が必要ではないかと思っています。新しい視点が必要です。

「勝手創千界」による「勝手な発想」が「脳内停止」状態の人々に「インパクト」を与えなくてはいけません。

13 コメント

2012年

3月

11日

3.11震災から海上都市計画へ

3.11震災を契機として、日本という国家のもつ様々な問題点が明らかにされ、新しい国家像が求められている。たぶんこのままでは、さらに日本の解体状況は進んでいくだろう。ラブーン海上都市計画がひとつの方向性を提示できればと思う。

8 コメント

2012年

2月

19日

勝手に復興計画 in 石巻を提案

3.11震災からの新しきまちづくりとして「勝手に復興計画 in 石巻」を発進いたします。

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2011年

12月

31日

ホームページ開設

3.11震災以降、如何にすれば「津波につよいまち」が可能なのか?考えてきました。

その「ひとつの答え」を提示できればと思います。実現に向けて多くの人の意見を求めています。

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