人口減少社会を思う

2017.07.05

 

人口減少社会を思うー1

 

2006年からの人口減数が、今年は年間30万人減、来年は50万人減、であと最低でも50年以上は続く日本人の人口減少! 世界で日本人が稀少人種になってしまうのか!それが本当の未来の日本の現実!このニュースには反応薄いですが、とても怖い話です。さらに人口に占める六十五歳以上の割合は過去最高の27・17%に! 四人に一人は六十五歳以上ですので、頑張って働かないとダメです。

 

日本の人口1億2558万人 過去最大の前年比30万人減

2017年7月6日 朝刊http://www.tokyonp.co.jp/article/politics/list/201707/CK2017070602000130.html  

 

総務省が五日発表した今年一月一日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、国内の日本人は前年から三十万八千八十四人少ない一億二千五百五十八万三千六百五十八人だった。八年連続の減少で、三十万人超えは一九六八年の調査開始以来、初めて。人口に占める六十五歳以上の割合は過去最高の27・17%に達し、出生数は百万人を割り込んだ。少子高齢化と国内人口の先細りが加速している。四十一道府県が前年人口を下回り、東京圏への集中も進む。 政府は地方創生を掲げて、人口減少対策や一極集中是正に取り組んでいるが、効果が見えない状況が続いている。 東京、名古屋、関西の三大都市圏の人口は合計六千四百五十三万二百五十八人。十一年連続で人口に占める割合が50%を超えたが、名古屋圏、関西圏では人口が減少。東京圏の割合は28・16%に増えた。 出生数は九十八万一千二百二人、死亡者は最多の百三十万九千五百十五人。出生数から死亡数を引いた自然減は三十二万八千三百十三人と拡大。十四歳以下の割合は12・69%で減少が続いている。 外国からの転入数から転出数を引いた社会増は二万二百九十九人だった。 都道府県別で、減少数は北海道の三万三千五百九十三人が最も多く、新潟、静岡が続いた。減少率は1・34%の秋田が最も高く、次いで青森、高知の順だった。  増加は東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、沖縄の六都県。このうち出生数が死亡者を上回ったのは沖縄のみで、ほかは転入が転出を上回ったことによる増加。東京は増加数七万七千四百人、増加率0・60%とも一位だった。 六十五歳以上の人口の割合は、秋田が34・21%と最も高く、沖縄が20・19%で最小だった。 日本に住民登録している外国人は、前年比6・85%増の二百三十二万三千四百二十八人で、全ての都道府県が増えた。増加率は留学生や技能実習生の受け入れが増えた佐賀が13・21%で一位だった。日本人と合わせた総人口は一億二千七百九十万七千八十六人で、前年を十五万九千百二十五人下回った。

 

 

2017.07.06

 

人口減少社会を思うー2

 

もうすぐ、日本人が「絶滅危惧種」になる日がやってくる

 

冗談では済まないこの国の未来

2020年、女性の半数が50歳を超える。2024年、全国民の3人に1人以上が65歳以上になる。2033年、3戸に1戸が空き家になる。2040年、自治体の半数が消滅する――将来の人口を分析してみると、日本の未来はかなり正確に予測できるのだ。 政府や政府関係機関の各種データを長年、膨大に集め、丹念に分析してきた人口政策の専門家で、このたび『未来の年表』を著した河合雅司氏が、人口減少ニッポンの「不都合な真実」をあばく。

呑気な人々

 

日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、その実態を正確にわかっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

私は仕事柄、国会議員や官僚、地方自治体の首長、経済界の重鎮たちと接する機会が多いのだが、政策決定に大きな影響力を持つ彼らであっても、正確にはわかっていない。

人口減少問題への対策を担う閣僚からしてそうである。たとえば、地方創生担当相の山本幸三氏は、「地方創生はまず少子高齢化に歯止めをかけて、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服して、将来にわたって成長力を確保することを目指しております」と語った(2016年8月3日の就任記者会見)。

だが、残念なことに、「少子化」は止まりようがない。今後の日本社会は、子育て支援策が成果を挙げ、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する子供数の推計値)が多少改善したところで、出生数が増加することにはならないのである(その理由は後述しよう)。

「高齢化」に至っては、すでにこの世に存在する人が歳を重ねる結果起きるのだから、これに「歯止めをかける」などというのは、何やら“危ない話”(ある程度の年齢に達した人にはいなくなってもらう……云々)を想定しているかとあらぬ誤解を受けそうだ(ただし、山本氏の名誉のために言うならば、「少子高齢化に歯止めをかける」と口にする国会議員、地方議員は数知れない。全国各地の議会や行政の会議で、認識不足や誤解による議論が重ねられ、どんどんトンチンカンな対策が生み出されている)。

地方自治体職員からも、実に呑気な発言が聞かれる。

先日、関東のある地方都市を訪れた際(私は全国の市町村から、講演やシンポジウムのパネリストとして頻繁に招かれもする)、「わが市は積極的に子育て支援策に取り組み、近隣自治体から子育て世帯がどんどん転入して子供の数も増えています。小学校の校舎不足に悩むなんて嬉しい悲鳴です」と自慢げに話す自治体幹部と出会った。

 

また別の講演先では、「うちの市長は20万都市構想を掲げている。何とか都会からの移住者を増やしたいがどうすればよいか」と、地元財界の有力者が相談を持ちかけてきた。

これらなどは、現実を見ていない典型例と言ってもよい。数年後には、東京を含めた全ての自治体で人口が減る。日本が消えてなくなるかもしれないといわれているときに、一部の自治体の人口が増えただの、減っただのと一喜一憂している場合ではない。もっと、日本全体の人口減少を見据えた長期的政策を考えるべきである。

 

“論壇”の無責任な議論

 

かたや、いわゆる“論壇”でも、人口減少への対策に関して実にピント外れな議論が目立つ。典型的なのが、「労働力不足は、AI(人工知能)の応用や移民の受け入れで解決する」とする楽観的な主張だ。

たしかに、目の前にある人手不足は、機械化や移民による穴埋めで幾分かは対応できるかもしれない。だが、日本の労働力人口は今後十数年で1000万人近くも少なくなると見込まれる。そのすべてを機械や外国人に置き換えることにはとうてい無理があろう。

最近は、悲観論が語られることを逆手に取ったような論調も多くなってきた。人口減少を何とかポジティブに捉えることが、現実を知らない聴き手にはウケるのかもしれない。「人口減少は日本にとってチャンスだ」、「人口が減ることは、むしろ経済成長にとって強みである」といった見方がそれである。

もちろん、少子高齢化が進んでも経済成長している国はある(そもそも、戦後日本の経済成長は、人口の伸びによるものではなく、イノベーション〔技術革新〕による産物だったとされる)。

「人口が減るからといって、豊かな暮らしができなくなるわけではない。生産性を向上させ、同じ労働時間で付加価値の高い仕事を行えるようにすればよいのだ。労働者1人あたりの国内総生産(GDP)が伸びさえすれば、個々の所得は増える」──短期的な視座に立てば、こうした見方も成り立つ。私も労働生産性の向上は重要だと考えており、否定するつもりはない。

ただそれは、人口減少の如何にかかわらず目指すべきことだ。労働生産性が向上すれば、人口減少問題が直ちに解決するわけではないだろう。

 

2017.07.08

 

人口減少社会を思うー3

 

年間20万人が孤独死!「限界国家」日本のXデー

 

http://diamond.jp/articles/-/134530

 

 国立社会保障人口問題研究所が2017年5月に発表した最新データによれば、2008年から始まった人口減少は2020年代には620万人、30年代には820万人、40年代には900万人と加速する。北海道の人口をはるかに越える人口減少が10年ごとに起こると日本はどうなるのだろうか?

「単に経済の問題ではなく、日本は急速に縮小し社会のあらゆる仕組みが機能不全に陥るだろう」

 そう警鐘を鳴らすのは、『限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択』朝日新書)の著者である、毛受敏浩(めんじゅ・としひろ)氏だ。人口減少が及ぼす社会への影響、さらには高齢化が進むにつれ深刻さを増していく介護問題について、問題点の整理と解決策を毛受氏が寄稿してくれた。

 著者がよく知る広島県安芸高田市。どこにでもある中山間地域の人口3万人の町である。図を見てほしい。2035年には安芸高田市の人口は最も多い世代が80歳以上となる。これで社会は維持できるのだろうか?

 安芸高田市は特異な例ではない。むしろ、日本のほとんどの地方都市は同様の人口構成になるだろう。

 すでに日本の縮小は始まっている。文科省の調査では2002年度から2013年度に公立の小中高校の廃校の数は全国で5801校にも上る。毎年500校以上の学校が日本から消失しているのだ。一方、80歳以上の人口は2015年についに1000万人の大台を突破。2030年には1571万人にまで増加すると予測されている。

 生産年齢人口(15~64歳)の減少は、総人口の減少の10年以上前から始まっている。通勤や通学で交通機関を利用するこの世代の減少は交通網の縮小となってすでに大きな影響が出ている。

 2000年から2013年までに鉄道網は35路線、674キロが廃止。バス路線にいたっては2006年度から2011年度の間に1万1160キロ、なんと年平均2000キロ以上が廃止となっている。岩手県盛岡から福岡県の門司まで東北本線、東海道本線、山陽本線を乗り継いだとしても1700キロにすぎない。バス路線の廃止のすさまじさが実感できるのではないか。

 

 人口ほど政策によるコントロールが難しいものはない。なぜなら出生率は単なる経済や労働の問題ではなく、人々の価値観、家族関係、教育など極めて複雑な要素が絡み合うからである。そもそも、日本は20代、30代の女性の数は右肩下がりで減少しており、仮に出生率が上がっても、子どもの数は増えることはない。日本より国民所得が高く労働時間が短いドイツは、ワークライフバランスがよいことで知られるが、そのドイツでも日本と同程度の出生率でしかない。出生率の高いアメリカやフランスはいずれも移民国である。すでに日本はチェックメイト(八方ふさがり)なのである。

 このままいけば、あらゆる業種で人が決定的に足りなくなる。すでに農業従業者の平均年齢は67歳だ。農業などの第1次産業はいうに及ばず、前述の鉄道・バスや電気・水道などのインフラから、サービス業、そして国の基幹をなす製造業まで、日本は持続可能性が危ぶまれる巨大な限界集落=「限界国家」と化す。

 なかでも深刻なのは、やせ細る生産力人口に反比例して、需要ばかりが右肩上がりで上り続ける「介護」の分野だろう。中央大学の山田昌弘教授は、2040年には年間20万人の孤独死が発生する可能性があると警告する。年間20万人とは週にすれば約4千人、これは年間の交通事故死者数に匹敵する。いかにすさまじい状況が待ち受けているのかが理解できるだろう。この国が「姨捨列島」と化す、と表現しても過言ではない。

 では本当に解決策はないのだろうか? 著者が提案するのは、選択的に外国人の定住化を図るということである。製造業、サービス業や農林水産業の現場で働くアジアの若者を受け入れ、優秀な人材には定住の可能性を認めるというものである。

「選択的」にとは、従来の高度人材の受け入れに加えて、対日関係のよい東南アジアから日本語が一定レベルでき、高校卒や職業訓練を受けた青年を受け入れる。そして、例えば3年後に日本語の能力向上や安定した職業があることなどを前提に定住を認めるということである。

 当初は小さな単位で受け入れ、その経験をもとに段階的に増やしていくべきだ。最初から、何十万人もの受け入れは失敗の元になる。

 世界では人口爆発が起こっている。現在、74億人の世界の人口は毎年、7千万人ずつ増えている。人々が溢れる世界の中で、日本は人口激減に直面しながらも人材鎖国を続け、人口減少によって老衰死の道を選ぶのか。世界から見れば、これほど不可思議で滑稽な国はないだろう。

 日本がこのまま人口減少による衰退の道を選ぶのか、国を開き多様性の中に新たな可能性を見いだすのか、日本人は岐路に立っている。

 

2017.07.09

 

人口減少社会を思うー4

 

http://www.nippon.com/ja/currents/d00336/#.WWG8Fpmbrxs.facebook

 

縮む・老いる日本:人口減少社会をどう生きるか

 

急速に進む少子・高齢化

 

本稿では、国立社会保障・人口問題研究所の金子隆一副所長が6月14日に行った講演(共同通信社主催)とその際に配布された資料を基に、日本が直面する少子・高齢化の現実と課題を説明。その上で、筆者の私見も交えた対策を提示する。

まず図1「日本の人口ピラミッド」を見てほしい。前回東京五輪が開かれた翌年の1965年には若い世代が大きく横に張り出しているのに対し、半世紀後の2015年には高齢層が広がり、若年層は尻すぼみとなっている。これは50年前の若者があまり死なずに年をとり、分厚い高齢層を構成している一方、生まれてくる子供が少なかったことを示している。

この間、総人口は9827万人から1億2709万人に、3000万人(30%)近く増えているが、生産年齢人口(15~64歳)の構成比は68.1%から60.8%に縮小した。年上と年下の人口が同数となる、いわば分水嶺である中位数年齢は、27.5歳から46.7歳に上がった。この状況を端的に表す言葉が「少子・高齢化」だ。

 

50年後、日本人の半分は55歳以上に

 

それでは、日本の人口ピラミッドは今後どのように推移していくのだろうか。中位推計によると、主なポイントは下記の通りだ。カッコ内は2015年比。

 

  2040年 2065年
総人口 1億1092万人(12.7%減) 8808万人(30.7%減)
中位数年齢 54.2歳(7.5歳上昇) 55.7歳(9.0歳上昇)
生産年齢人口比率 53.9%(6.9ポイント低下) 51.4%(9.4ポイント低下)
65歳以上の老年人口比率 35.3%(8.7ポイント上昇) 38.4%(11.8ポイント上昇)

 

2040年には何とか1億人を維持しているが、65年になると大台を大きく割り込む。中位数年齢は、1970年代まで一般的なサラリーマンの定年年齢だった55歳前後に上昇する。つまり、今から半世紀前の定年制度を適用すれば、人口の半分は引退した人たちという時代がやってくる。

一方で働く世代の厚みは、どんどん削られていく。生産年齢人口の実数をみると、比率は下がっても1965年の6692万人が2015年には7727万人に増えた。しかし、これからは40年5979万人、65年4527万人と急速に減っていく。今のままの社会経済構造では、労働力が決定的に不足することが容易に想像できる。

 

構造的にビルトインされた人口減少「慣性の法則」

 

国連の「世界人口展望2017年版」によると、世界の総人口は今後も増え続け、現在の76億人が50年に98億人、2100年に112億人に達する。こうした中、日本は現在の11位から2050年に17位、2100年に29位と人口ランキングの順位を落としていく。経済成長は一定程度、人口の増減と連動する。もう10年も前の2007年に米ゴールドマン・サックスが発表した50年の国内総生産(GDP)世界ランキングは、ショッキングだった。現在3位の日本はインド、ブラジル、インドネシアなどに抜かれ、8位に落ちるという内容だったからだ。人口以外の要因を重視したもう少し楽観的な見通しもあるが、人口減少が経済成長の足を引っ張るのは間違いない。

金子副所長は日本の人口推移について、「生物学・生態学の理論を逸脱」していると結論付けている。そして、21世紀を通して人口が減少するペース、高齢化とも世界一になると予測する。

なぜ、それほど悲観的かというと、「人口モメンタム」という慣性の法則が働くからだ。1人の女性が一生の間に産む子供の平均人数を合計特殊出生率という。人口が増えも減りもしない率は2.07だ。人口問題研究所によると、仮に出生率が2010年以降2.07に回復したとしても、70年代まで日本の人口は減り続ける(図2の赤線)。

なぜなら人口を維持するだけの子供が10年から生まれ続けても、その子供たちが自分の子供を産むようになるのは一般的には20歳代になってから。40~50年ごろまでは、出生率1台と母数が小さい女性が出産適齢年齢であるため、出生数は減少傾向をたどる。一方、母数の大きい高齢者の死亡数は増えていく。つまり日本の人口は今後60~70年間にわたり、減り続けるモメンタムが構造的にビルトインされていると言える。

まして現実の出生率は、ボトムだった2005年の1.26から上昇したと言っても、1.5を割る水準で推移している。それでも、出生率が回復すれば人口減少に多少なりともブレーキが掛かり、長期的には大きな差になることが図2で分かる。図の右半分にある青線を赤線に近づける努力が求められる。

 

都市で介護難民が大発生―「シルバー民主主義」の弊害も

 

次に高齢化が将来、どのように進むのか見よう。図3は高齢者を「65~74歳」「75~84歳」「85歳以上」の3層に分けた人口構成だ。高齢層の中でも、より年齢の高い老人の比率が今後、高くなっていく。100歳を超えて元気な人がいるし、医療は進歩するだろうが、やはり健康や生活に支障を来すリスクは年齢を重ねるとともに増大する。

警察庁の発表によると、2016年の認知症の行方不明者は、1万5432人と前年より3224人も増えた。統計を取り始めてから毎年、最多記録を更新し続けている。独居老人の人数、割合とも増加傾向にあり、届け出のなかった行方不明者はもっと多いだろう。

若者が流入する首都圏や大都市では高齢化は問題にならないという認識もあるが、これは大きな間違い。東京都と神奈川、沖縄県では65歳以上の高齢者人口が、10年から40年に50%以上増加する。同じ期間中、埼玉、千葉、愛知、滋賀県で40~50%、宮城、茨城、栃木、兵庫、福岡県と京都、大阪府で30~40%増えるなど、大都市での増加率が高い。大都市で将来、介護難民が大発生することも十分予想できる。

政治面では、有権者の高齢化が著しい。有権者に占める35歳未満と65歳以上の比率は下記の通りだ。16年以降は選挙権年齢を20歳から18歳に引き下げた新制度で、推計している。

  1960年 2016年 2030年 2060年
35歳未満 42.9% 20.3% 18.5% 15.7%
65歳以上 9.6% 32.7% 36.8% 45.9%

1960年と2060年では、青年と老人の政治パワーが劇的に逆転しているのが一目瞭然。しかも、09年の第45回衆院選挙の投票率でみると、最も低い20~24歳が46.7%、最も高い65~69歳が85.0%だ。こうした状況をプレストン効果、またはシルバー民主主義と呼ぶ。雇用、子育て支援、教育の充実を求める青年の声は、年金、医療、介護の後退を許さない老人の怒りにかき消されてしまう可能性がある。

 

考え得る政策の総動員を

 

ここまで金子副所長の分析に沿って、日本の暗い未来を描いてきた。ここからは金子副所長の分析・提言を基に、筆者の私見も交え、明るい未来図を実現するための処方箋をいくつか提示する。

▼年金インセンティブ

子供を産んだ女性の年金給付額を上乗せする。例えば、子供1人で1万円、2人で3万円、3人で6万円と、子供の数が1人増えるごとに上乗せ幅を拡大する。年金受給開始年齢(現在65歳)に達するまでの財政負担はないし、老後の不安を緩和することで、消費を刺激する効果が期待される。

ただ、離婚後に苦労して育てたり養育費を払ったりした男性をどう処遇するか、といった制度設計に工夫が必要だろう。また、子供を持つという本来は自由な選択を、現金給付で誘導することへの反発も予想される。

▼養子縁組

望まない妊娠で中絶する女性がいる一方、子供を欲しい家庭がある。この2つを結び付ける。2016年12月に養子縁組あっせん法が成立し、「アボーション(中絶)からアドプション(養子縁組)へ」の基盤は整った。悪徳あっせん業者の排除やマッチングなど運用上の課題を克服する必要がある。

▼移民

賛否が大きく分かれる対策だが、既に多くの外国人労働者が日本経済を支えている現状もあり、いずれ真正面から議論しなければならない対策だ。金子副所長は、若年人口が今後、アフリカでは急増する一方、アジアなどの地域で減少していくため、移民争奪戦が起きる可能性を指摘し、「移民は決め手にならない」との考えを示している。

▼女性と高齢者の社会進出

日本における女性の社会進出は進んでいるが、企業の役員や管理職、政治家など要職に就く比率は先進国の中で低水準にとどまっている。せっかく能力があるのに、単純作業に甘んじている女性は多い。彼女たちの選択肢を増やし、能力を生かすような社会を構築していくべきだろう。そのためには、子供を安心して預けられる保育園などの充実、自宅勤務を含む柔軟な勤務時間・スタイルの導入が必要になる。

高齢者について金子副所長は、1960年に男性11.6年、女性14.1年だった65歳の平均余命が2060年には男性22.3年、女性27.7年に延びるとの予測を紹介している。昔より元気な老人が増えると言っていいだろう。また、パソコンを「使いこなせる」割合(2015年調査)は、70歳代の男48.1%、女15.6%に対し60歳代は男68.4%、女27.5%と、若い老人ほど情報技術との親和性が高く、その分野での労働力になる可能性を示唆している。

▼技術革新

現在では想像できない新技術が開発されるのは、間違いない。「人間の仕事を奪ってしまう」とAI(人工知能)の進歩を恐れるのではなく、人口減少時代を支える道具として賢く利用していく必要がある。

上記の対策には一長一短があり、組み合わせて講じる方が効果を発揮すると考えられる。また、他にもさまざまな処方箋があるだろう。明るい未来を実現するためには、人口減少のインパクトが比較的小さいうちに、考え得る政策を総動員することが求められる。それも今すぐに。

 

勝手創千界への

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2013年

6月

09日

勝手創千界から世界へ

この世界が持つ多くの問題への解決は待っていては果たせない

より良き社会を目指して我が「勝手自由なる提案」を創り上げていく

そして「勝手創千界」の描く世界から解決に向けての一歩を踏み出す

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2013年

1月

01日

勝手にエネルギー論を構築する

人類の行く末は「エネルギー」を如何に獲得していくかである。

日本の社会も経済も「エネルギー問題」の解決抜きには語れない。

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2012年

10月

02日

新しいエネルギー開発に向けて

「水危機」と「エネルギー危機」が目前に迫っている。この二つの「危機」だけでも「人類の生存基盤」の危機である。 一刻も早く、地球と人類にとって安全・安心な「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」の開発が求められている。

10年、100年先の「危機管理」として、今から行動しなければ遅いことは明白だ。

「消費社会」から「循環社会」「持続可能社会」「自然共生社会」「エネルギー自立社会」へ向けての「意識改革」と「構造改革」が重要である。

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2012年

7月

08日

新しい日本改造に向けて

国の言う「国民のための判断」が本当でないことが明らかにされているいま

国民の持つ価値観として、何が大事で何が大事でないかという判断や、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けの体系の価値判断から、3.11震災を契機にした「新しい価値観」と「国民全体の幸福度」についての「提言」が、いまこそ日本に必要である。

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2012年

6月

04日

勝手に発想法を研究する

差し迫る「少子高齢化の縮小社会への突入」「産業の空洞化」「エネルギー問題」「雇用問題」「財政問題」等々・・・日本社会が抱える問題は多岐に渡るが、政治や行政や官僚に「問題解決能力」の欠如が著しい。

さらに日本の技術を支える産業界や学界の「研究開発機関」においても「劣化」が進んでいる。

今こそ「フロンティア精神」と「新しい発想」が連動して「革新的なイノベーション技術」を生み出していくことが必要だ。

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2012年

5月

01日

自然エネルギーと共に生きる

日本の自立と未来を切り開くためには、日本の国土に適合した再生可能エネルギーの社会が必要であり、最先端の日本技術を結集して「世界に誇れる日本」を創っていかなければならない。

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2012年

4月

07日

勝手創千界から「尊敬される日本」へ

まず、現状のまま進行した100年後の日本の未来を想定し、その想定社会状況から、今必要な「方策」を考えてゆく視点が必要ではないかと思っています。新しい視点が必要です。

「勝手創千界」による「勝手な発想」が「脳内停止」状態の人々に「インパクト」を与えなくてはいけません。

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2012年

3月

11日

3.11震災から海上都市計画へ

3.11震災を契機として、日本という国家のもつ様々な問題点が明らかにされ、新しい国家像が求められている。たぶんこのままでは、さらに日本の解体状況は進んでいくだろう。ラブーン海上都市計画がひとつの方向性を提示できればと思う。

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2012年

2月

19日

勝手に復興計画 in 石巻を提案

3.11震災からの新しきまちづくりとして「勝手に復興計画 in 石巻」を発進いたします。

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2011年

12月

31日

ホームページ開設

3.11震災以降、如何にすれば「津波につよいまち」が可能なのか?考えてきました。

その「ひとつの答え」を提示できればと思います。実現に向けて多くの人の意見を求めています。

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